古くから伝わる自然素材を使った家づくりをしている工務店や土や木の専門家である職人たちが集まり、その素材をより身近に感じてほしい、という思いから、「ものづくり工房・湘南村」が、誕生した。その第1回のワークショップは、「光るどろ団子づくり」。つぎのものづくりは「漆喰かまど」、そのつぎは「木琴」の予定であるという。会場に、見本の漆喰かまどや木琴が、並んでいた。木琴を叩いてみると、キンコンと乾いた、かわいい音がした。
会場は藤沢市 LIXIL 藤沢支店。参加者は40名の予定に、200名の申し込みがあったという。
『チルチンびと「地域主義工務店」の会』の㈱ワイズ・山本康彦社長、㈲勇建工業・加村義信社長の姿も。次回のイベントは「漆喰かまど」づくりの予定。
タマ、磨カザレバ、光ナシ。
知人で心理学の研究者・中川織江さんの著書『粘土遊びの心理学』によると、粘土は、触覚と視覚にみちびかれる造形であるという。粘土は、個体でなければ、液体でもなく、その間を行ったり来たりするのだという。どろ団子づくりを見ていると、その話を実感する。そして、土を丸めたり磨いたりするのは、意外に力を必要とすることがわかる。小学生らしい男の子に「オモシロかった?」と訊いたら、「ウン。疲れた」と答えた。日焼けした子どもたちが、どろ団子を入れたビニール袋を下げて帰って行く。その後姿を見ていると、夏のおわりにふさわしいイベントだったように思えてきた。