野原で花を摘むように、『チルチンびと』81号の特集「庭時間のある暮らし」から、言葉を一輪ずつ、摘んでみる。
水やりをしながら、元気そうだな、とか、実がついてきたなとか、1本1本植物の顔を見てまわるのは最高の贅沢。朝日が昇り出す頃が、僕の庭時間の始まりです。
(「庭の喜び溢れる大谷石の土間の家」)
朝はご機嫌うかがいに庭をまわって野菜たちと会話。とても楽しいことです。
(「まちに開き、エコをめざす住宅街の菜園ライフ」)
どうしても庭って家のおまけになりがちですが、庭は家の付属物じゃない。
(「毎日の庭仕事が支える山暮らし」)
薬園の管理で大切なことは、行動力、体力、興味、記憶力……、それと植物と心を通わせることですかなあ。
(「先人の知恵を守り継ぐ 森野旧薬園と大宇陀を訪ねて」)
欲張ってはだめ。その日食べられる分だけを摘むこと。無駄にしてしまうのは、旬のものをお裾分けしてくれている大地に申し訳ないでしょ。
(「自然の恵みを命につなぐ ― 野草の食卓」)
建築は硬いものだから、緑でやわらげてやらなきゃ。
(「庭という風景 ― 建築家・永田昌民さんが綴った「住まい」のかたち」)
花は枯れ、植木はのびる。そんなコントロールできない“生き物”で空間をデザインしたい、と思ったんです。
(「店主の手が編み出す植物のインスタレーション ― 草花屋 苔丸」)
『チルチンびと』81号は、このほか、和のハーブの恵みに感謝して / 庭で育てたい植物図鑑 / 身近な植物の薬効について / 庭と水・古川三盛 / 緑の風の力を科学する / 子育てと庭 / 城下町・長府の文化を受け継ぎ発信する ― 21世紀の木造建築 / 第1回吉田桂二賞発表 / 夏涼しく、冬暖かいエアパスグループの家づくり / 脱原発を考える ― フクシマからのたより・境野米子 / デンマークの選択 ― 持続可能な社会はどうつくる / 工務店がデザインする上質な木の空間 / 山の恵みで 6次化をめざす 大分・津江「リタプラス」の挑戦 など、充実の272ページ。定価(本体917円 + 税)。9月11日発売です。