七十二候・第十四候
鴻雁北(こうがんかえる)

お弁当 楕円曲げわっぱ:長野県木曽産

4月9日~4月13日頃

お弁当をつくりはじめる頃

新年度になると、生活環境が変わる方も多いのではないでしょうか?
なかにはお子さんが幼稚園に入ってお弁当をつくることになる方もいるかもしれません。そんなとき、自分の分も一緒につくってしまうと効率的。
職場に出勤する日だけではなく、在宅ワークの日も含め、朝のうちにお弁当をつくってしまえば、昼ごはんの準備にあれこれ気を取られることもなくなるし、心おきなく仕事や他の家事に集中できそうです。

一昨年上梓した「季節やシーンを楽しむ 日々のうつわ使い」では、フードコーディネーターのタカハシユキさんに「詰め合わせ系」と「のっけ系」——二種類のお弁当の詰め方をレクチャーしてもらったので、それを参考に。

たとえば、お子さん用は目で見て楽しめる「詰め合わせ系」で。いろいろなおかずをバランスよく配し、蓋を開けた時の驚きや楽しみを演出して、苦手な食材でもたくさん食べてくれるように工夫を。
対する自分用はもっとシンプルに。画像のような「のっけ系」であれば、お子さん用に作ったお弁当のおかずの残りや常備菜をごはんの上にのせて簡単に仕上げることが可能です。
ここでは主菜=焼鮭、副菜=菜の花のからし和え、ごはんの端っこに箸休め代わりの唐辛子味噌を塗って。唐辛子味噌はたまたま冷蔵庫に入っていたもので、これは梅干しやお漬物に置き換えてもよいでしょうね。
のっけ系弁当については特にコツらしいものはありませんが、あえてポイントをあげるとすれば、食材が痛まないよう、ごはんがある程度冷めてからおかずをのせていくことでしょうか。

手間がかからないのっけ系弁当はズボラ飯のように見えるかもしれませんが、画像のように、木の味わいが感じられる曲げわっぱに詰めるだけで見た目がワンランクアップ。職場のデスクで、または在宅ワークにいそしむ自宅のテーブルで、ワイルドかつオーガニックなピクニックを楽しんでいるような気分になりますね。
材として使われる杉や檜には殺菌効果があると言われますし、通気性があるためごはんが蒸れにくく時間が経っても美味しさが持続。見た目だけではなく、実用面でもすぐれていると思います。
物事をはじめる際には「カタチから入る」というプロセスもアリだと思うので、新年度にお弁当をつくることになる方は、まずお弁当箱選びからスタートしてみてはいかがでしょうか。

(楕円曲げわっぱ:長野県木曽産)