分の間、歯科医療について書いていこうと思っていたのですか、この時期でなければ書けないことができた。
毎年、冬になると変奇館の庭に牛脂をぶら下げるとシジュウカラやメジロがやってくるということは何度か触れている。その他に、ヒヨドリとムクドリが牛脂を突つきに来る。また、キジバトが地面に落ちた種子などを捜しに現れる。このあたりは常連客ということになるだろう。
その他に、毎年、かならず何度かはアオジ、ジョウビタキ、ツグミがやってくる。
そして、ウグイスの姿も藪を渡っていく姿がしょっちゅう、目撃されたものだ。
ウグイスに関しては、隣の家が暫く空き家であったころ、伸び放題になった庭木に毎年、巣を造り、朝からうるさいほど鳴き声を聴くことができた。
隣が更地になり、さらに六棟の建売住宅になった十年ばかり前から営巣こそしなくなったものの、我が家の庭には必ずやってきて、春先から初夏にかけて囀りを聴くことができた。
最近、ふと気がついたのだが、今年はまだ我が家の周辺ではウグイスの声を聴いていない。冬場には、まるで藪のようになった南側の植生の中を見え隠れしながら渡っていく姿を確認できたものを、この時期になっても鳴き声を聴かないのだ。
そう思って気をつけてみると、一橋大学周辺で稚拙な声が聞こえる。さすがに、国分寺市の広大な敷地を持つ地主さんのお宅のお庭の森では、聴くことができるが、それでも鳴き声は遠い。
日記で確認してみると、五月になってからも、ウグイスの鳴き声を聴く、という記述が何カ所かある。ということは、まだこれから期待できるのかもしれない。
それにしても、去年とくらべると、極端に野鳥の数が減っている。
先に、アオジ、ジョウビタキ、ツグミと書いたが、この三種類に関しても、今年は我が家の庭に現れないのだ。
国立に引っ越してきた五十七年前、庭に今まで知らなかったスズメ大の野鳥がいた。それがアトリであると知ったときから、僕はバードウォッチャーの仲間入りをしたのだ。
地球温暖化のせいだろうか。周辺に緑が減ってきているためか。野鳥の激減は自然破壊の前兆なのかもしれないと慄然とする。