- 設計:加藤武志建築設計室
- 施工:みくに建築
- 薪ストーブ:ピキャンオーブン

これまで東京・臨海の高層マンションに暮らしていた川城さん一家。娘さんの誕生や、息子さんが幼稚園に入る年齢になるのを機に、地元に戻って家を建てることにしたという。「家を建てるなら薪ストーブは絶対に欲しかった」というご主人は、アウトドア好きで、キャンプ料理ならお手のもの。そんなご主人が選んだのがクッキングストーブだ。「このストーブなら煮込み料理はもちろん、オーブンがついているのでピザでも何でもつくれるんです」
この家を設計した建築家の加藤武志さんは、薪ストーブがあると豊かな時間が生まれると話す。「僕はコーヒー好きで、いつも生豆を煎ってコーヒーを淹れるんですが、豆を煎っている時間がものすごく楽しい。薪ストーブも同じように手間が楽しいんです。それを “いい時間” と感じられることが豊かさなんだと思います」
休日には友人を呼んでよくパーティを楽しむという川城さん。そんな時の料理にもクッキングストーブは大活躍するが、家族が寝静まった夜、一人でストーブの火を見つめる時間も好きだという。「この良さは言葉にしづらいんですが、テレビなんか要らない、ただ火をずっと見ている……もう禅の精神ですよ(笑)」。揺らめく炎を見つめながらグラスを傾けていると、幼い頃祖父の家で入った五右衛門風呂や、友人と焚き火を囲んで一晩中話したこなど、火にまつわる思い出がふと蘇ってくるという。


炎を楽しむ家
- 火を熾す手間から、豊かな”いい時間”が生まれる
- 日暮れから始まる、炎と戯れる魅惑のひととき
- 暖炉の生きた火を、親子で静かに楽しむ時間
- 薪づくりから満喫、炎に親しむ豊かな暮らし
- 料理に薪風呂、炎が支える手づくりの暮らし
- 四世代の家族を結ぶ、「火場」のもつ力
- 緑や光と同様、火は暮らしを豊かにする
- 生活のなかで体験する、直火のリアリティ
- 懐かしさ溢れる土間で楽しむ、炎という贅沢
- 都会の暮らしを豊かに彩る、炎のゆらめき
- 森の家で味わう、火のある安らぎの時間
- 炎の揺らめきが蘇らせる、大切な家族の記憶
- 家族の時間をやさしく包む、炎のぬくもり
- 宴の”おもてなし”は、炎とストーブ料理