
暖炉の火熾しは通常の薪ストーブより難しいと言われますが、ポイントさえ押さえれば誰でも楽しむことができます。また、暖炉の火熾しは開放型の暖炉型薪ストーブの火熾しにも応用できます。
あらかじめ、火ばさみ、ブラシ、シャベルを用意します。よく乾燥した薪と焚き付け用の細木を用意するのは薪ストーブと同じです。
まず、ダンパーを開け、暖炉の背にぴったりつけるように1本目の薪を置きます。このとき、下から空気が入るようにレンガの上(片側だけでもよい)に置くのがポイントです。次に、その下にねじった新聞紙を入れ、空気の通路を確保するように注意しながら、新聞紙の上や薪の手前に焚き付け用の細木を並べます。以上の準備ができたら新聞紙に火をつけます。
薪に火がつき始め、細木が燃え尽きる前に2本目の薪を1本目の手前に投入します。このとき、2本の薪の間から炎が出るくらいに空気が通る隙間を空け、ぴったりとくっつけないことがポイントです。時々、薪の上下をひっくり返します。
1本目の薪は燃え尽きる前に崩してレンガの間に下ろし、3本目の薪を奧に足します。こうやって奥に入れることで、手前の薪が燃える熱が遮られず、熱を有効利用できます。これを繰り返し、こまめに薪の位置を変えながら炎を楽しみましょう。
火の粉が飛ぶのでスクリーンを置くとよいでしょう。空気を取り入れる量の調節にもなります。
火を消すときは、水を張ったバケツを用意し、炉内の灰をシャベルですくって入れると確実に消火できます。暖炉に直接水をかけると、炉を傷めたり、灰が飛び散って危険です。

炎を楽しむ家
- 火を熾す手間から、豊かな”いい時間”が生まれる
- 日暮れから始まる、炎と戯れる魅惑のひととき
- 暖炉の生きた火を、親子で静かに楽しむ時間
- 薪づくりから満喫、炎に親しむ豊かな暮らし
- 料理に薪風呂、炎が支える手づくりの暮らし
- 四世代の家族を結ぶ、「火場」のもつ力
- 緑や光と同様、火は暮らしを豊かにする
- 生活のなかで体験する、直火のリアリティ
- 懐かしさ溢れる土間で楽しむ、炎という贅沢
- 都会の暮らしを豊かに彩る、炎のゆらめき
- 森の家で味わう、火のある安らぎの時間
- 炎の揺らめきが蘇らせる、大切な家族の記憶
- 家族の時間をやさしく包む、炎のぬくもり
- 宴の”おもてなし”は、炎とストーブ料理