- 設計:渡辺響子(響屋設計室)
- 施工:響屋
- 薪ストーブ:バーモントキャスティングス/デファイアント

小高い丘の上に佇むこの家は、そろそろ子育てもひと段落というCさん夫妻が、週末をのんびり過ごすために建てたもの。自営業を営み、これまで24時間365日気の抜けない生活を送ってきた夫妻にとって、ここは、心からくつろぐことのできる理想の居場所になっている。
家づくりで夫妻がともにこだわったのは、土間を設けて薪ストーブを置くことだった。「薪ストーブの炎を見ていると、子どもの頃を思い出します。夕方、庭先に家族みんなが集まって焚き火をするのが、1日が終わる合図だったよね」と薪ストーブの炎を見つめながら語る奥さんのかたわらで、「うん、うん」とうなずくご主人。夫妻にとって炎は、同時代の大切な記憶を蘇らせてくれる存在のようだ。
この家には、お子さんたちもよく遊びに来る。その堂々たる風格に奥さんがひとめぼれしたという大きな薪ストーブを皆で囲むと、家族がひとつになったように感じられるという。そんな家族のさりげない時間が、今度はお子さんたちの脳裏に、大切な炎の記憶として刻まれていくに違いない。


炎を楽しむ家
- 火を熾す手間から、豊かな”いい時間”が生まれる
- 日暮れから始まる、炎と戯れる魅惑のひととき
- 暖炉の生きた火を、親子で静かに楽しむ時間
- 薪づくりから満喫、炎に親しむ豊かな暮らし
- 料理に薪風呂、炎が支える手づくりの暮らし
- 四世代の家族を結ぶ、「火場」のもつ力
- 緑や光と同様、火は暮らしを豊かにする
- 生活のなかで体験する、直火のリアリティ
- 懐かしさ溢れる土間で楽しむ、炎という贅沢
- 都会の暮らしを豊かに彩る、炎のゆらめき
- 森の家で味わう、火のある安らぎの時間
- 炎の揺らめきが蘇らせる、大切な家族の記憶
- 家族の時間をやさしく包む、炎のぬくもり
- 宴の”おもてなし”は、炎とストーブ料理