忘れ得ぬ客と器と時代

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伊勢屋美術・ギャラリー壽庵お店にくる方が、何か面白いものありますか、何か珍しいものありませんか、といって入ってくる場合、ありますね。面白いものといわれても、人によって、違う。100円のものでも、その人にとって面白いものは、あるんですよ。100万円のものでも、その人には、全然、面白くないものもあるんですよ・・・それで、自分の好きなものが何かわからない、という方も、結構、いらっしゃる。

あなたは、何がお好きなんですか、焼きものがお好きなんですか、絵ですか、掛け軸のようなものですか、というようなことを聞いていくと、好きなものは何だ、ということが、だんだん、見えてくるんですよ。

伊勢屋美術・ギャラリー壽庵で、ある好きなものを手に入れたとしますね。それを、あ、これ、いい器だね、おいしそうにみえるねと、旦那さんにほめられたりしますね。どうしようかなと思って手に入れてみたら、娘さんにほめられたりしますね。そうすると、また、お小遣いがたまったら、食卓を賑やかにしたいな、という思いが出てきて、深みにはまっていく・・・自分が、何が好きなのかがわかってくる、というのは、すごく面白いんですね。それと、ものを集めるというのは、集めたもの自体が、その人なんですよ。品物を見ると、その人がどういう人なのか、わかってくるんですよ。自分がいいと思って買ったものは、楽しそうなんですよ。

ところが、世の中には、そういう人ばかりじゃない。オジサン、何か安いものないかな、という人もいる。たとえば、これ、10,000円ですよ、というと、ちょっと高いから7,000円にしてくれない? という。そりゃ、安いほうがいいでしょうが、自分が好きで買うのではなく、高くなったら売ってしまおう、という人なんですよ。でも、この頃、そういう人がこなくなったのは、ものが高くならない、ということが、わかったからですよ。自分が生きている間くらいのスパンでは、ものは高くならないと知って・・・利殖で買おうという人は減りましたね。

 

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伊勢屋美術・ギャラリー壽庵

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