いま、仕入れの旅は、年に2回-ルートを決め、逢う人に声をかけ、という行く前の準備。帰ってきて、荷ほどきをし、値段をつけたりしていると、なんやかや、2,3カ月はかかるので、年に3回行くと、それに、かまけてしまいます。
店を始めたころは、向こうへ行っても、南仏の田舎のほうだと、日本人とか見たことがないから、写真を撮らせてほしいとかって-そんなことありましたね。最近は、そういう地方をまわるツアーもあるから、日本人の方も、多いですけど。
行くと、楽しいです。古道具屋さんと会って話しているうちに、じゃあ、家にくればいいじゃないかといわれ、昼食をごちそうになったり。-大震災のときは、どうした?水は送らなくていいか、といっていただいたり-なんか、そういうの好きなんですよね。昔は、若かった同志が、お互い、メガネをとり出したりするのも、いいんですよね。-これはココが好きだから、買ったんだよ、ちょっと見ろよ、ココが、こうなっているだろ、とか。向こうの人も、同じですよ。-そんなふうにして、ともすると、一日、そこで終わってしまうみたいな、というのも、好きですね。
まあ、仕入れで買うときは、少しでも安く買ってこないと、と思うので、わあ、コレ!みたいな顔はしませんね。ぜったい、買う、と思われてしまわないように、コレ、別にさ、でも、いくらくらい? みたいなふうにしませんとね。-でも、つい、わあって顔に出ちゃうんですよ。
日本だと、大きな家も、広い部屋も、そうないでしょうから、なるべく、小さいものを買ってこよう、とはしますね。小さいもののほうが、売りやすいし、買いやすい、ですね。それと、郵便料金が値上がりしてますから、あまり、大きくて重いものもね―持ってみないと重さのわからないのも、ありますけどね。-買ってはみたものの、知り合いのご夫婦の家においてきたりもしますよ。
-実は、私、来週からフランスに行くんです。だいたい、2週間ちょっと-。
あそこは、第2の故郷でしょうか。こうして行くのも、当たり前のようになってきていますが、気力・体力で行こうとふるいたつ気持ちがわくのも、それをあたたかく待っていただくお客さまがあってのこと。西荻窪に降りたって、わくわく小走りになるくらいのドキドキを裏切らない、よい意味でサプライズを起こせる自分でいたいです。帰り道、「あ、やっぱり来てよかった!」と思っていただけるような。自分が輝くことで、商品も光って、お店の窓にまで、そんな気が出ているように…できたらって。