ご無沙汰しています。7年ぶりに、チルチンびとの編集部から連絡をもらいました。コロナで世の中も大変な事態になりましたが、森の状況も深刻です。当社の森林は、昨年(2020年)7月7日の豪雨で自慢の道路網が100箇所以上崩壊し、1年ちょっとで復旧率は15%。今年も昨年同様、線状降水帯の集中攻撃を受けていました。今夜も寝付けないな、と思っていた夜に飛び込んできたのがコラム「森からの手紙」への読者の方からのお手紙でした。

 

 

田島山業株式会社 田島信太郎 様
 

森からの手紙、読みました。
私は千葉県佐倉市に住んでいます。
土地の一部に杉の林があります。杉の林といっても20数本程度ですが、義理の父が亡くなり私が所有することになりました。それまでは、足を踏み入れられないくらいシノや草が生えていましたが、昨年からコツコツとシノや草を刈り、ツルを切り、今は何とかきれいになりました。(倒木もあったので、チェーンソーを購入。危険性を認識し慎重にあつかっています。膝を自分で切ってしまう危険性をFacebookにあげておられましたが私自身も感じました。)
亡くなった義父の口癖は「杉の木は財産なので切ってはいけない。大切にしなさい」。妻は子どもの頃からよく聞かされていたそうです。

 

森林

見た目はきれいになった杉林を見てこれからどうしたらいいのかと考えていたところ、ふと目にしたのが「森からの手紙」でした。
林業の置かれている厳しい状況が伝わってきました。
日本の林業に打ち込んでいる人がいると、驚きと希望を感じました。
私の杉の林は素人から見て、きれいにはなりましたが枝打ちはしていませんし、よく見ると、細い杉の木も混ざっています。
太い木は、義父の年齢から考えて70〜80年は経っているはず。
娘と息子はそれぞれ家庭を持ち、私ども夫婦は定年を過ぎていますので、私の代で何とかしないといけないのではないかと、急に気づいた次第です。
田舎で見かける林業としての杉ではない、こうした20本程度の杉をどうするかが私の次の宿題となっています。
二酸化炭素を多く吸収する、森林浴の香気成分が含まれているなどを読み、杉の木を好きになりました。
カーボンニュートラルの時代であり、木のある環境が人の生活を守るのですから杉など森林を保有して管理している方々は環境維持、向上に大きく貢献しているわけです。
国や地方自治体から対価が支払われてもいいのではないかという気さえしてきます。
 

取り止めのないメールとなってしまいました。
「断固森林を守る」
田島山業、田島社長様始め、皆様の今後の活動を応援しています。
中津江村に足を運び森林管理をこの目で見ることを楽しみにしています。
 

千葉県佐倉市 Hより

 

profile

田島信太郎 Shintaro Tajima
田島山業株式会社 代表取締役/大分県林業経営者協会理事/(社)九州経済連合会九州次世代林業研究会委員/日田林業500年を考える会会長 1980年慶応義塾大学法学部卒。西武セゾングループ代表室勤務を経て、1988年、父、祖父の急逝に伴い、家業を継ぎ林業経営者となる。日田林業500年目にあたる1991年、子どもたちを対象とした森林環境教育、また学生、社会人の森林ボランティア受入れを開始。「断固森林を守る」取り組みを続けている。

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