ギャラリーを始めて、7年目。いろいろな企画展をやりました。
たとえば、「パピエ・フォレスタ」。面白い紙のものを集める、というテーマで、ポストカード、昔のマッチラベル、包み紙、切手…… 現代作家もののユニークな紙雑貨と一緒にご紹介したことで、作家ものが好きな人にも、新鮮だったみたいで。いやあ、こういうテーマのとき、お隣だった「ベビヰドヲル」の持ち札が、スゴイんですよ。こういうのは、どう ？ 私、集めてくるわ、みたいに…… タテがダメならヨコにすればいいじゃん、みたいな、発想の自由な店主で、大いに影響を受けました。

昔のものを眺めていると、その素朴な佇まいや今ではかけられないような手間暇のかけ方に、惚れ惚れしてしまいますよね。その面白さを教えてくれる、橋渡しをしてくれるのが、アンティーク屋さんなのかなあと。
そうそう、昨年5月にやった「魚のいない水族館」も、好評でしたね。水の生き物をテーマに、ただし、魚類はいない。ガラスものあり、水中花あり。タツノオトシゴあり、タコあり、イカあり……。こういうふうにテーマでしぼって、お店の方や作家に声をかけて、というかたちの企画展を…… あ、そうそう、クマも。「クマンスキー」。ロシア、東欧など森のある国に行くと、クマのモチーフのものが多く、それも日本のカワイイクマちゃんとは、違う、リアルな木彫りのものとかたくさんありまして。日本の木彫りのクマのよさも、あらためて感じる面白い展示になりました。

そうですねえ。7年目。この場所に呼ばれたのかな、という気もします。始めるとき、見通しはたっていなかったけど、あんまり、断る理由もなくスタートしたというのも、正直なところでした。与えられた仕事というか、私がやったら面白いんじゃないかと、ダレカが見出してくれたのか、これがご縁というものか……。場所があることで、意外な方面とつながって、自分にも、関わっているみなさんにも、ネットワークが拡がっていくのを、内々、実感しています。