仕入れのときって、日本で高く売れるものとか、ヨーロッパでは高いけれど、日本では評価が低いものとか、いろいろですね…… 古くていいものを専門的に持っているディーラーさんとかは、けっこうな値段がついてるので、見るだけで、勉強させてもらうだけってのも多い。まあ、いろんなディーラーさん、いますけど、やっぱりモノの好きな人が多いですよね。…… 顔なじみも多いですし、このへんお好きでしょ、みたいなカンジで分かり合えるところもあったり、面白いです。
私、民族的なものが好きだったので、お店をオープンする前は、アジア、アフリカの人々の、古いものを扱っている会社に勤めていました。東京かんかん、という会社てす。
そこでは販売より、仕入れの仕事をさせていただき、とても勉強になりました。それまで知らなかったものも多く、世界の民藝的なモノをいろいろ見ることができたのはとても良かったと思っています。
でも、アフリカの古いものって、日本ではあんまり人気がないんですよ…… 欧米では人気なんですが。なんで人気がないか、って……うーん、強すぎるんじゃないですかね。プリミティブ・アートって、大胆な、思ってもみない造形が斬新、って感じなんですけど、ちょっと強いとか、コワイとかいう要素が、ありすぎて…… 80年代は、結構そういうものを買われるお客さんも、いらっしゃったんですけど…… 90年代以降、やさしいとか心地よいとかいうものが、メインになってきて…… 私は好きですが。感覚が日本人にはないものがありますから……。
ただ、そういうものばかりだと、泥臭くなりがちなので、そうならないように。もっと今の暮らしに合う使えるもの、シンプルなものを混ぜてるって感じですね。