マニュモビールズのモビールには、こいのぼりやひな祭り、ハロウィンやクリスマスなど季節の行事に関するモビールがいくつかあります。行事のモビールを作り始めたのは、今から10年ほど前、まだ活動を開始して間もない頃に、静岡のある家具メーカーの社長に言われたことがきっかけでした。
当時はまだ行事のモビールは一つも作っておらず、5種類ぐらいのモビールを携えて、静岡で偶然見つけたその家具メーカーのお店の門を叩いたのです。たまたまその時に創業者の社長がいて、話を聞いてもらうことができました。僕が「一人でモビールを作っていて、これを世の中に広めていきたいんです」と言うと、当時50代ぐらいと思われるその社長もなんと一人で椅子を作るところから始めて、今に至るというのです。短い時間でしたが、その社長からはたくさんの助言をいただきました。「人から何を言われても気にするな」とか、「保育園や病院などの施設にまとめて入れてもらうと良い」ということなども、その社長から教えてもらったことでした。僕が今からやろうとしていることを、その社長はすでにやってきていて、苦労を知っているからこそ優しく教えてくれたのです。
その中の一つが「行事のモビールを作った方が良い」ということでした。「日本人はお祝い事が好きだから」というのがその理由でした。その時はあまりピンと来なかったのですが、社長の言葉を素直に受け取って試しに作ってみることにしたのです。最初に作ったのは「こいのぼり」のモビールです。
こいのぼりのモビール
不思議とすぐにイメージがわいて、悩むことなくスルスルと作ることができました。リリースしてみると、驚きました。初めてまともに売れたのです。当時はモビールを飾る習慣もなく、モビールという言葉すら知られておらず、モビールを作っていても買う人などほとんどいませんでした。その中で「こいのぼり」だけは、明らかに動きが違いました。少ないながら、他の商品の5倍ぐらいは売れたのです。その後、人気のインスタグラマーさんに紹介されたこともあって、これまでで一番のヒット商品になりました。昨年には全国に100店舗以上展開する量販店でも取り扱っていただきました。
社長が「日本人はお祝い事が好きだから」と言っていたのは、つまり「買う動機がある」ということだったのかと後になって気づきました。現代の住環境ではなかなか本物のこいのぼりを飾ることは難しい。でもお祝いはしたい。省スペースで手軽に飾れるものとして、モビールがマッチしたのだと思います。置物もありますが、モビールは実際に動くというところが、風で揺らぐ本物のこいのぼりと似ているのも大きなポイントです。
その後、ハロウィン、クリスマス、ひな祭りのモビールも作りました。特に以前コラムでもご紹介したクリスマスツリーのモビールは、本物のツリーの代わりとしてじわじわ人気が出てきています。
クリスマスツリーのモビール
来年の頭に新商品として、「節分のモビール」をリリースする予定です。こちらは、鬼がくるくると回るモビールで、鬼に豆をぶつけて節分をお祝いできます。鬼のイラストは人気のクリエイター・かよくらふとさんが手がけてくれました。オリジナルの豆を入れる升もついています。
これまではパパが鬼の仮面をかぶって豆をぶつけられるという光景が多かったかもしれませんが、これからは可愛い鬼のモビールで、アップデートした節分を楽しんでもらえたら嬉しいです。
来春発売予定の節分モビール 豆を当てると裏面は泣き顔に。