
『七夕のモビール』2014年6月製作
もうすぐ七夕ですね。七夕のモビールは製品にはないのですが、昨年ある百貨店からの依頼でイベント用に製作しました。織姫と彦星、それに短冊をつけてクルクルと回るモビール。七夕では笹を用意するのが一般的ですが、“今年は趣向を変えて、モビールに短冊を吊るしてみてはいかが?”という提案でした。
このイベントでは、織姫と彦星の服の色は選べるようにしました。製品化する場合は製作時間などを考えるとあまり色数を増やせないのですが、イベントの時は参加したお客様に実際にモビール製作を楽しく体験していただきたいので、たくさんの服の色の中から好きなものを選んで、その場で貼り合わせていただきます。織姫と彦星のファッションショー。参加していただくのは主に子どもたちですが、こういう色の選択だけでも、その子の趣向や性格が出るものです。女の子はやっぱり、赤やピンクを選ぶことが多いのですが、ときどき渋く黒を選ぶ子もいたり、逆に男の子でも可愛い色を選んだり。お母さんが一緒にいる場合は、「こっちの色の方が良いんじゃない?」という誘導…いや、ご指導が入ったりもしますが、そんな母子のやりとりもまた、こちらとしてはとても微笑ましくて嬉しい気持ちになるのです。
そして、織姫と彦星を作ったら、最後は七夕のメインである短冊の登場です。おうちに持って返ってこっそり願いごとを書く子もいれば、もう書くことを決めていたのか、その場ですぐに書いてくれる子もいます。昨年はたくさんの方が参加され、いっぱい願いごとを書いてくれましたよ。その他にも「家族が健康に暮らせますように」とか「家族が平和に」とか、子どもながらに家族全体のことを考えていて偉いなぁと感じたのが印象に残っています。
今年も七夕の時期に去年と同じ場所でこのイベントを開催させていただくことになっています。今年も大勢の子供たちが参加して、願いごとを書いてくれると嬉しいな。どんな願いごとを書いてくれるのか今から楽しみです。“子どもたちの願いが、ひとつ残らず叶いますように”。これが、今年、僕がモビールに吊るしておきたい「願いごと」なのです。
- 「紙」と「糸」だけで製作された新しいタイプのモビールを製作する、名古屋のモビールメイカー「マニュモビールズ」代表。日本発のプロダクトを日夜研究し、世界中の家庭へ届ける事を目標に活動中。