はじめまして、「WEB チルチンびと」読者のみなさま。私は、大都会東京で、主に小指の先サイズの石の欠片を日々並べている者です。その並べたもの、それが「モザイク」。
モザイクの首都と呼ばれるイタリア北東部の小さな街、ラヴェンナのモザイク工房に通い、その日々の中、教わり、知り、感じたモザイクの魅力。すっかり虜になってしまった今、この魅力を少しでも多くの方に伝えたい!目指すは、職業欄や趣味・特技欄にモザイクと書けるニッポンたい!! ... と、筆をとった次第です。九州出身です。

ラヴェンナの古い聖堂のモザイクの一部の
レプリカをB&Bの庭に作りました。やはり右が私。
それにしても今年のお正月はモザイク一色でした。少なくとも私の認識では。毎年恒例、NHKBS ハイビジョンのお正月スペシャル。今年はイタリア統一150 周年を記念して、イタリア特集番組が元日から1ヶ月に渡って放送されていたのですが、その中でシチリアやヴェネツィアそしてラヴェンナのモザイクがたびたび紹介されていたのです。光を反射しきらめくモザイク。地デジがその実力を見せつけてきました。
どんなに背伸びをしてみても、現状ではフレスコ画などに比べ知名度も露出度も格段に残念な感が否めないモザイク。それがお正月のNHK で、なんて、もうモザイクバブルの到来の予兆の萌芽の何かとしか思えないですね!
単語としての「モザイク」には、画像加工方法から植物の病気まで様々な意味がありますが、私が専門とするのは、装飾技法としての「モザイク」です。
大理石やズマルト(モザイク用ガラス素材)のテッセラ(石片)などで様々な図案を描き、床面や壁面を装飾するモザイクは、数千年の時を経てもその姿をとどめることから「永遠の絵画」とも呼ばれます。今でもローマ時代の遺跡やその後のキリスト教建築物に足を運ぶと、古の職人達の手による素晴らしい仕事を見られるんです。

右の帽子をかぶっているのが私です。
こんな書き出しをすると、「なんだかすごそうだけど... 別に...」なんて思われる方もいらっしゃいますよね。「いきなりローマ時代とかキリスト教とか言われましても」なんて。かくいう私もほんの10 年前まで、むしろモザイク修行の為にイタリアへ到着した日だって、猛烈にモザイクに心酔していたわけでもないんです。そんな私が、今は何故かこんなテンションでモザイクについて語っている... その謎、というかモザイクの魅力のミソの部分については、次回以降、ゆっくりとお伝えしたいと思います。
今回はここらへんで。Ciao!