vol.8 第二の森林をつくりましょう

「第二の森林」、聞いたことがありますか?

 

最近、森林や木材の分野で盛んに叫ばれるようになった言葉です。都市部に「第二の森林」をつくろう、と言われることが多いですが、「第二の森林」とは?都市部に樹を植えて森林をつくること?

 

それは、木材が炭素を固定するという、生物ならではの特殊な機能があることを利用した、私たちでも出来る環境貢献の一つです。具体的には私たちが木材製品をたくさん、しかも長く使うことで、地球温暖化防止に貢献できるというものです。

 
木材は天然循環資源
photo01:木材は天然循環資源

木材が炭素を固定している。これは地球温暖化防止が重要な課題である今日、とても素晴らしいことです。木材は他の工業製品と異なり、山で育つ天然資材です。植物ですから、太陽の光と大地から吸い上げる水によって光合成をして、大きく育っていきます。その際に、人間とは逆に二酸化炭素を吸収して酸素を放出します。そうやって育つ木材の中には、長年吸収した二酸化炭素が炭素としてたっぷりと固定されているのです(photo01?03)。世の中に木材製品がたくさん増えれば、必然的に大気中の二酸化炭素が減り、結果として地球温暖化防止につながるという訳です。

photo02:二酸化炭素を吸収している森林
photo02:二酸化炭素を吸収している森林
photo03:原木市場
photo03:原木市場
 

「第二の森林」とは、建築物などに木材をたくさん使って、炭素をたっぷりと固定している町のことを意味しています。都市を破壊して本当の森林に戻さなくても、炭素を固定してくれる第二の森林として、木材をたくさん使った町に変えていくことを始めれば、林業の衰退で現在眠っている森林をも活性化し、今以上の二酸化炭素を吸収できるようになります。昨年「公共施設木材利用促進法」という法律が施行され、公共施設を木質化していく事業が至るところで始まっています(photo04?05)。

 

photo04:木造の環境教育施設
photo04:木造の環境教育施設
photo05:木造の小学校
photo05:木造の小学校
 

しかし、今までのような使い捨てではいけません。木材を燃やしたり腐らせたりすると、蓄えられていた炭素は、再び大気中に二酸化炭素として放出されます。山で木材になるためには少なくとも50?60年はかかりますが、その木材をすぐに捨ててしまったら、炭素固定の効果は発揮できません。木材をたくさん使う、だけではなく「長く」使うことも同時に求められています。

 

「木材製品や木造建築物をたくさんつくって、長く大切に使う!」

 

これから私たちが取り組むべき大きな目標です。

 

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