Vol.03 私たちの木材消費

私たちはどんなところで木材を使っているでしょうか?

 

木造の建物、家具や雑貨、割箸、木材チップから作られる紙製品など、結構たくさん使っています。量で言うと、年間約8千万?の木材が供給されています。イメージし難いかもしれませんが、戸建住宅の約87%は木造住宅です。また、割箸は年間約250億膳、段ボールや用紙、チリ紙などの紙製品は年間約3千万トンもつくられています。日本は世界的にも木をたくさん使う国で、「木の国、山の国」と呼ばれることも多いです。

戸建住宅の約87%が木造住宅
photo01:戸建住宅の約87%が木造住宅
紙製品の原料となる木材チップ
photo02:紙製品の原料となる木材チップ

 

世界の森林率と木材自給率(100%超えるものは輸出分を示す)
photo03: 世界の森林率と木材自給率(100%超えるものは輸出分を示す)
日本の木材自給率と木材消費量
photo04:日本の木材自給率と木材消費量

日本は森林資源も豊富で、木材もたくさん使う国。とても理想的なのですが、問題は現在の木材自給率の低さです。森林率(国土に対する森林の面積の割合)は、フィンランドやスウェーデンなど林業が盛んな北欧の国々にも引けを取らないのですが、木材自給率が各国に比べて圧倒的に低いです(2005年で20%)。山に木材資源があるにも関わらず、私たちがたくさん消費している木材の約8割は、海外から輸入しているのです。(photo:03)
 

木材の自給率は、戦後急激に減りました。戦争中、木材は貴重な資源であったため、国内の山の木が減ってしまったことを受け、戦後、国をあげて拡大造林という政策が行われ、畑や田んぼであった所やがけの上にまで植林されました。ただ、木は植えてから木材になるまでに数十年かかりますので、その後の高度経済成長期の木材需要に間に合わず、木材の自由化が図られました。今、ちょうどその植林された木が使える時期なのですが、依然として輸入材に頼る状況が続いてしまっています。(photo:04)

 

私たちが国産材を使わなくなった。これが我が国の人工林が荒廃している大きな理由です。人工林は木材をつくるための山ですので当然の結果なのですが、先回のコラムにあるように、山が荒れると様々な問題が起こってしまうため、数年前から林野庁や国土交通省でも国産材の推進が始まり、木材自給率が20%(2005年)から24%(2008年)へ少し増えています。木材を買う機会はあまりないかもしれませんが、より多くの人が国産材にこだわると、日本の山を救う大きな力が生まれることは、間違いありません。

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