第1回 2011/03/09 地元の山で青空にタッチ!~雪山編~
大好きな山へ行ってきました。
朝、カーテンを開けたら、昨晩の嵐で積もっていた新雪がお日様を受けてピカピカに光っていたので、今日は一日山ですごすのが最高だ、と決めたのでした。
米山(993m)は柏崎市内のどこからでも見える、昔からこの地域で愛されてきた山。夏は地元の小学生や山の愛好者であふれるのだけれど、冬は登る人も少なくて、静かな山を一人占めできます。
始めのうちは前の人が踏みしめていったのであろう道のようなものをたどっていけるのですが、途中からそれが分からなくなります。それでも冬の山は広葉樹が葉を落としているので見晴らしがよく、尾根に出てしまえば頂上が見え、一本道の空の回廊を歩いていくようです。
突き抜けるような青空の下、サラサラの真っ白い世界を、眼下に田んぼや街や隣の山並みを見晴らしながら、スノーシューをつけて雪庇(せっぴ…尾根にせり出して積もった雪)をつたって進みます。
途中、カモシカの親子に会いました。隣の尾根で少しの物音に気づいて、身動きせずにこちらを見ています。体は随分大きくて、最初はクマかと思いました。じーっと見つめ合っていると、ドキドキと嬉しさとどちらもこみ上げてきて、
「ここで生きてるんだねー。私も生きているよ」
と仲間意識のようなものが生まれます。
大きなブナの並ぶ林は、先端の芽がもう赤く膨らんでいて、澄んだ空気にピンク色を滲ませているみたい。風が吹くと、枝に凍てついた樹氷が舞って、キラキラとライスシャワーのように降ってきます。ブナの木の肌はやわらかくて、抱きしめるとやわらかく受けとめてもらえる気がします。
頂上まで4時間。下りで2時間半。自然の懐で遊ばせてもらった時間でした。空がくーっと広がって、海に続いて遠くの山のそのまた向こうまで包みこんでいる様を眺めていると、大きな"愛"が地球をまるごと抱っこしてるんだなぁ、とそんな思いが浮かびました。
果てしない力。小さなものへのまなざし。そして自由な心…そんなものを感じて、確かめたくて、私は山に登るのだと思います。