11月12日(土) ~
11月27日(日)
呼応する部屋 阿知波まどか
帰宅して息を吸い込むと、ずっと部屋の中に留まっていた空気が少し硬く、重くなっている感じがする。
それを掻き分けご飯を作りはじめたり、お風呂に入る準備をすると、営みに合わせて硬直していた空間がゆっくりと動き始める。
完成の像をイメージせずに描き進めていると、まるで空気にふれているみたいだ、と思う時がある。
ふれる、とは肌触りを確かめるような一方的な接触ではなく、その内側にある流れや動きを感じとることだ。
そしてそれらは私のさわり方(動き方)に応えるように繊細に変化する。
白い画面の中で生まれた点は、硬直し、冷え切っていた部屋に迷い込んだ小さな生き物のようだ。
そして、部屋は小さな生き物の営みに応えるように少しずつ形を変え、柔らかく温まり始める。
ACHIWA Madoka 1996 年 北海道出身 2021 年 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科修士課程絵画専攻 修了 主な展覧会 2018 年 個展「愛してるの呪文」(ギャラリールンパルンパ) 2020 年 グループ展「第7 回 未来展 ~日動画廊美術大学学生支援プログラム」(日動画廊) 個展「曖昧な輪郭」(ギャラリールンパルンパ) 個展「土に溶ける体温」(MAKII MASARU FINEARTS) 2021 年 グループ展「シェル美術賞展2021」(国立新美術館)