カメを捕まえたり飼ったりしたことはありますか。そうでなくても、「もしもしカメよ、カメさんよ~♪」を歌った記憶はありますよね。その日本のカメさんたちに大異変が起きていることがわかってきました。
ひと昔前なら、田んぼや水路、池でカメが泳いだり甲羅干ししているのをよく見かけたものです。甲羅の柄が、黒いものか、黒と黄色が格子のようになったカメさんたちでした。ところが最近、都会の公園の池などでも見かけるカメさんたちは、ちと柄が違っていませんか? そう、頭のところに赤い色が入っているのがふつうになっています。どうも民話や童謡に登場したカメさんたちとは別人(別カメ?)のよう。もといたカメさんたちを見かけることもありますが、もともといた日本のカメさんたちはどこへ行った?
![日本でよく見る4種類のカメ [左上]ニホンイシガメ(広島県・六重部篤志さん提供)[右上]クサガメ(神奈川県・佐藤宏治さん提供)[左下]ニホンスッポン(愛知県・佐藤利行さん提供)[右下]ミシシッピアカミミガメ(兵庫県・松本哲也さん提供)](/column/nature/wp-content/uploads/2013/12/11.png)
[左上]ニホンイシガメ(広島県・六重部篤志さん提供)[右上]クサガメ(神奈川県・佐藤宏治さん提供)[左下]ニホンスッポン(愛知県・佐藤利行さん提供)[右下]ミシシッピアカミミガメ(兵庫県・松本哲也さん提供)
じつは、この赤い耳がついているように見えるカメさんは、ミシシッピアカミミガメという、舌を噛みそうな名前の種なのです。もしかしてミシシッピ川から来たの? そうです、そのとおり。もともと種の出身地はアメリカのミシシッピ川あたり。それがなぜ、わがもの顔で日本にふつうに棲んでいるかっですって? それこそが今回からお伝えする「日本のカメ問題」なのです。
その前に、もう一度質問しましょう。あなたは縁日やペットショップで「ミドリガメ」を買って飼ったことがありますか? 「イエス」という答えはけっこう多いことでしょう。全身がきれいな緑色で可愛らしいあの子ガメ(しかも安い)こそが、じつはミシシッピアカミミガメなんです! あの子ガメたちはアメリカから海を渡り(実際には飛行機で空を飛び)、日本列島に輸入されたもの。近年でも毎年、なんと数十万匹が日本列島に“上陸”し、ペットショップなどを通じて家庭に入り込んで来ます。そして……。
日本のもともとのカメさんと新参の外来種カメさんの実態は、どうなっているのでしょう。次回は、昨年NACS-Jが主催した「日本のカメさがし!」の結果をお知らせしましょう。