この場所で暮らして行くために

古本雑貨店

 

古本雑貨店と宿の経営。地域福祉団体の運営。古材を使用した内装業。ごみ処理。捨てられそうなものの再利用。不動産の紹介。
僕らが生業としているこれらの仕事は、手足を動かすように連動しています。それぞれ単独では成り立ちません。

会社に例えれば、お店には受付窓口としての役割があります。いつでも誰でも来ることが出来る場所です。
地域福祉団体は、言うなれば営業、企画部門です。福祉には、ストレスを解消する役割があります。対人援助はもちろん、家の片付けやごみ捨て、大がかりな改修が必要な場合もあります。さらには、家そのものの行き先を考える事態にも遭遇します。いわゆる空き家問題です。

これらストレス案件は、営業なんてしなくても、お店に立っているだけでどんどん入ってきます。古本の出張買い取りに行った先で、介護や住宅問題が勃発していることもあります。
「しらんがな」と、他人事にする前に、何が出来るかを考えます。

こうして文章を書くことは、宣伝部としての仕事です。知って、共有して欲しいことがたくさんあります。

忘れていました。本の編集をすることもあるのですが、この経験もずいぶん役に立っています。
編集における「関係性」を見つけ、まとめて行く作業。僕らの仕事では、欠かせない要素です。

たまたま店に来たお客さんから相談を受け、家を片付けたら、別のお客さんが所有している大きな倉庫を借りることにつながった。しかも格安で。

実際に僕らに起こった出来事です。
間をはしょりすぎて、なんのことやらわからないと思いますが、「誰かは誰かの知り合いで、それぞれ問題を抱えている」という、当たり前の状況を、ひとつひとつ解消して行った結果です。

頭で考えるだけではなく、実際に行動することで、思いもよらぬ「関係性」が見えてくることがあります。
この「関係性」を見逃さず、注意深く観察することは、地域が抱えるストレスの解消にもつながり、僕らに利益をもたらしてくれる場合もあります。
地域福祉は、僕らにとっての最重要課題ですが、ボランティアでやっている、という自覚はありません。無償の仕事でも、報酬がもらえるような仕事につなげることを、常に意識しています。
さらに言えば、この場所で店を続けるため、生活をして行くための生存戦略でもあります。

そんな僕らのことを、これから少しずつ書いていこうと思います。