news letter 「住まいと健康」を考える 東賢一

WHO欧州による環境保健の不平等に関する報告書

Environmental health inequalities in Europe. Second assessment report (2019)
http://www.euro.who.int/en/publications/abstracts/environmental-health-inequalities-in-europe.-second-assessment-report-2019

この報告書の中では、住宅、サービスへのアクセス、都市環境と移動手段、労働関連、傷害に関する不平等が報告されています。この中で、住宅に関する不平等項目として、以下があげられています。

1)水洗トイレの不足
2)浴室やシャワーの不足
3)住居内の過密性
4)住居内のダンプネス(湿気)
5)適切な暖房
6)夏期における適切な冷房

いずれもWHOが昨年11月に公表した住宅と健康のガイドライン「WHO Housing and Health Guidelines」に関わる項目です。

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米国環境保護庁による浸水被害後の住宅の清掃と室内空気質に関する情報源

日本では近年、主として台風による短期間での多量の降雨によって、大規模な浸水被害が発生しています。浸水被害を受けた住宅には、さまざまな健康リスク要因が存在しています。しかしながら、日本では、そのことや対応方法に関する情報がほとんど公開されていないのが現状かと思います。

米国環境保護庁は、室内空気質の部門において、標題の情報源を公開しています。以下のサイトになります。各情報は、pdfファイルで入手できます。

浸水被害後の清掃と室内空気質に関する情報源
Resources for Flood Cleanup and Indoor Air Quality

1)Flood Cleanup – Protecting Indoor Air Quality
浸水被害その清掃:室内空気質を守る
2)Homeowner’s and Renter’s Guide to Mold Cleanup after Disasters
災害後のカビの清掃に関する所有者と管理者とのためのガイド
3)Flood Cleanup and the Air in Your Home: Booklet
水害後の清掃と住宅の空気に関するブックレット
4)Flood Cleanup and the Air in Your Home: Poster
水害後の清掃と住宅の空気に関するポスター

以下は専門的な報告書
5)Technical Resources for Flood Cleanup and IAQ
水害後の清掃と室内空気質に関する技術的資源
6)Mold: Worker and Employer Guide to Hazards and Recommended Controls
カビについて:有害性と対処方法に関する労働者と従業員のためのガイド

これらの情報源の中から、以下のブックレットを添付します。また、その中から要点を抜粋します。
3)Flood Cleanup and the Air in Your Home: Booklet
水害後の清掃と住宅の空気に関するブックレット
<要点>
(1)水害で住宅に侵入した水は居住者の健康に影響を与えることがあり、2日間以上湿った状態にあるところにはカビが生えやすい。また、水害後には病原菌や害虫が発生する可能性がある。従って、対策としては、清掃と乾燥が重要。

(2)カビは喘息やアレルギー症状、あるいは他の呼吸器症状を引き起こす可能性がある。浸水被害を受けた住宅における清掃や作業に関して疑問がある時は、主治医や他の医療従事者に相談する。

(3)多量のカビが発生した際には、カビの清掃方法について専門的な支援が必要となるかもしれない。その際は、専門業者に依頼し、水害で発生したカビや病原菌を清掃する。また、水漏れのあるところを修理し、それらを乾燥させる、そうしないとカビが再び発生する。

(4)清掃時には以下の保護具を着用する。
・N-95マスク(高効率で微粒子を除去するマスクで、カビの粒子を吸い込まないようにできる。ハンカチやバンダナ、一般の防塵マスクは使用しないこと)
*米国ではホームセンターでN-95マスクを購入できる
・ゴーグル(目にカビが入らないように通気口のないゴーグルを選ぶ)
・手袋(素手でカビに触れない)
・長ズボン、長袖シャツ、長靴または作業靴

(5)水害で濡れて清掃できないものは廃棄する。

(6)浴室、シャワー室、浴槽、キッチンの調理台など表面が硬いところを清掃して乾燥させる。カビが生えていて清掃や乾燥ができないところがあれば、殺菌用の洗剤やクリーナーを用いる。複数の洗剤や漂白剤などが混じり合わないようにする。

(7)停電が生じていて家庭用発電機を使用する場合は、発電機の排気ガスが建物の中に侵入しないように、建物から離れたところで使用する。建物の中では携帯用発電機を使用しない。バルコニー、ドアの近く、換気口の近く、窓の近くには携帯用発電機を設置しない。居住者の近くで携帯用発電機を使用しない。

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米国環境保護庁による浸水被害後の住宅の清掃と室内空気質に関する情報源

日本では近年、主として台風による短期間での多量の降雨によって、大規模な浸水被害が発生しています。浸水被害を受けた住宅には、さまざまな健康リスク要因が存在しています。しかしながら、日本では、そのことや対応方法に関する情報がほとんど公開されていないのが現状かと思います。

米国環境保護庁は、室内空気質の部門において、標題の情報源を公開しています。以下のサイトになります。各情報は、pdfファイルで入手できます。

浸水被害後の清掃と室内空気質に関する情報源
Resources for Flood Cleanup and Indoor Air Quality

1)Flood Cleanup – Protecting Indoor Air Quality
浸水被害その清掃:室内空気質を守る
2)Homeowner’s and Renter’s Guide to Mold Cleanup after Disasters
災害後のカビの清掃に関する所有者と管理者とのためのガイド
3)Flood Cleanup and the Air in Your Home: Booklet
水害後の清掃と住宅の空気に関するブックレット
4)Flood Cleanup and the Air in Your Home: Poster
水害後の清掃と住宅の空気に関するポスター

以下は専門的な報告書
5)Technical Resources for Flood Cleanup and IAQ
水害後の清掃と室内空気質に関する技術的資源
6)Mold: Worker and Employer Guide to Hazards and Recommended Controls
カビについて:有害性と対処方法に関する労働者と従業員のためのガイド

これらの情報源の中から、以下のブックレットを添付します。また、その中から要点を抜粋します。
3)Flood Cleanup and the Air in Your Home: Booklet
水害後の清掃と住宅の空気に関するブックレット
<要点>
(1)水害で住宅に侵入した水は居住者の健康に影響を与えることがあり、2日間以上湿った状態にあるところにはカビが生えやすい。また、水害後には病原菌や害虫が発生する可能性がある。従って、対策としては、清掃と乾燥が重要。

(2)カビは喘息やアレルギー症状、あるいは他の呼吸器症状を引き起こす可能性がある。浸水被害を受けた住宅における清掃や作業に関して疑問がある時は、主治医や他の医療従事者に相談する。

(3)多量のカビが発生した際には、カビの清掃方法について専門的な支援が必要となるかもしれない。その際は、専門業者に依頼し、水害で発生したカビや病原菌を清掃する。また、水漏れのあるところを修理し、それらを乾燥させる、そうしないとカビが再び発生する。

(4)清掃時には以下の保護具を着用する。
・N-95マスク(高効率で微粒子を除去するマスクで、カビの粒子を吸い込まないようにできる。ハンカチやバンダナ、一般の防塵マスクは使用しないこと)
*米国ではホームセンターでN-95マスクを購入できる
・ゴーグル(目にカビが入らないように通気口のないゴーグルを選ぶ)
・手袋(素手でカビに触れない)
・長ズボン、長袖シャツ、長靴または作業靴

(5)水害で濡れて清掃できないものは廃棄する。

(6)浴室、シャワー室、浴槽、キッチンの調理台など表面が硬いところを清掃して乾燥させる。カビが生えていて清掃や乾燥ができないところがあれば、殺菌用の洗剤やクリーナーを用いる。複数の洗剤や漂白剤などが混じり合わないようにする。

(7)停電が生じていて家庭用発電機を使用する場合は、発電機の排気ガスが建物の中に侵入しないように、建物から離れたところで使用する。建物の中では携帯用発電機を使用しない。バルコニー、ドアの近く、換気口の近く、窓の近くには携帯用発電機を設置しない。居住者の近くで携帯用発電機を使用しない。

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WHOのマイクロプラスチックスによる健康影響に関する研究推進の呼びかけ

マイクロプラスチックスは、廃棄物となって環境中に放出されたプラスチックスが環境中で粉々になったもので、ミクロンサイズの大きさで環境中に存在しています。

最近の調査では、魚の体内で発見されるなど、すでに海洋を中心に環境中に広く存在しています。

但し、生体に対する健康影響については、ほとんどわかっていないのが現状です。今年の3月に名古屋で開催された日本衛生学会では、名古屋市立大学の研究グループが、ポリエチレンのマイクロプラスチックスを水生生物に投与したところ、生殖系への影響があったと報告しています。

マイクロプラスチックスは、ミクロンサイズの大きさのため、消化器を通じて血液中に入り込む可能性があるのですが、その際に、環境中の有害な農薬などの物質を付着したまま体内に入ることが懸念されており、今後、人への健康影響に関する研究を推進することが求められています。以下に、WHOの呼びかけと、WHOの報告書のサイトを紹介します。

WHOのマイクロプラスチックスによる健康影響に関する研究推進の呼びかけ
https://www.who.int/news-room/detail/22-08-2019-who-calls-for-more-research-into-microplastics-and-a-crackdown-on-plastic-pollution

飲料水中のマイクロプラスチックスに関するWHO報告書
https://www.who.int/water_sanitation_health/publications/microplastics-in-drinking-water/en/

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アメリカ公衆衛生協会による健康住宅の基本原則

かなり古いように思われますが、公衆衛生の観点から住宅に要求される30の項目をまとめたもので、世界保健機関(WHO)をはじめ、世界の各国でこの原則が参考されており、健康住宅の基本原則とされています。

この原則では、生理学的要求、心理学的要求、感染予防、事故防止の4要素に関する30項目の基本原則を定め、肉体的、精神的、社会的健康のための必要最低限度としています。

生理学的要求
1.寒さに対する適切な温熱環境
2.暑さに対する適切な温熱環境
3.良質な空気質
4.適度な日光照明の導入
5.直射日光の導入
6.適度な人工照明の設置
7.騒音防止
8.運動や子どもの遊戯用の適切な空間

心理的要求
9.個人のプライバシーの確保
10.家族の団らんの確保
11.地域生活への参加が可能な場所
12.過度な疲労をもたらさない適切な住宅設備機器
13.住居や居住者を清潔に維持する設備機器
14.良好な景観への配慮
15.地域社会の一般的な社会基準との調和

感染予防
16.安全で衛生な給水
17.住居内での汚染に対する給水システムの保護
18.伝染病の感染予防に配慮した屋内便所
19.住居内における下水汚染に対する保護
20.住居近辺の不衛生状態の回避
21.伝染病を媒介する害虫の駆除
22.ミルクと食品の貯蔵設備
23.感染予防のため寝室の空間を十分に確保

事故防止
24.構造的な倒壊危険性の防止
25.火災や延焼防止
26.火災時の適切な避難設備
27.感電や電気火災の危険防止
28.ガス中毒の防止
29.転倒や負傷の防止
30.自動車交通のよる近隣への危害防止

(参考文献)
Winslow CEA, et al: Basic Principles of Healthful Housing. Am J Public
Health Nations Health 1938:28;351–372.

健康住宅に要求される必要最低限の項目として、ご参考いただければと思います。

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ドイツの室内空気質ガイドライン-二酸化窒素と1,2-ジクロロエタン-

1)二酸化窒素
ガイドライン1:0.08 mg/m3(1時間値)
ガイドライン2:0.25 mg/m3(1時間値)
主な排出源:石油ストーブなどの開放型燃焼器具からの燃焼生成物

日本では環境省が大気環境基準として、1時間値の1日平均値で0.04~0.06 ppm(約0.08~0.11 mg/m3)以下を定めています。

2)1,2-ジクロロエタン
3.7 μg/m3(10万分の1の発がんリスク)
0.37 μg/m3(100万分の1の発がんリスク)
主な用途:1,2-ジクロロエタンは、塩化ビニル樹脂の原料である塩化ビニルモノマーの生産に使用されています。有機溶剤や燻蒸剤としても使用されます。

日本では環境省が大気指針値として、1年平均値で1.6 μg/m3(10万分の1の発がんリスク)を定めています。

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(参考)

ガイドライン2は健康影響ベース、ガイドライン1は予防のためのガイドラインです。ガイドライン2を越えていたならば、特に、長時間在住する感受性の高い居住者の健康に有害となる濃度と判断されるため、即座に濃度低減のための行動を起こすべきと定義されています。

ガイドライン1は、長期間曝露したとしても健康影響を引き起こす十分な科学的根拠がない値と考えられています。しかし、ガイドライン1を越えていると、健康上望ましくない平均的な曝露濃度よりも高くなるため、予防のために、ガイドライン1とガイドライン2の間の濃度である場合には行動する必要があると定義されています

従って、ガイドライン1が、長期間曝露による健康影響を未然に防止するうえで目指していくべき室内空気質といえます。

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欧州連合におけるフタル酸エステル類の新たな規制

フタル酸エステル類は、主に塩化ビニル樹脂(ポリ塩化ビニル)の可塑剤として使用されています。可塑剤とは、樹脂を柔らかくする添加物です。他にも、溶剤、洗剤、繊維の潤滑剤、香料の保留剤、人工皮革など多くの製品に使用されています。

約2年半前になりますが、2016年12月のトピックで、欧州連合(EU)では、電子・電気機器における特定有害物質の使用制限に関するEU指令であるRoHS指令において、2015年6月よりフタル酸エステル類の4物質(DEHP、BBP、DBP、DIBP)が規制対象として追加されたことをお伝えしました。

その後、EUでは新たな動きが公表されました。

昨年12月17日ですが、EUのREACH(Registration, Evaluation, Authorization and
Restriction of Chemicals: 化学品の登録、評価、認可及び制限に関する規則)規則において、DEHP、BBP、DBP、DIBPの1つ以上を0.1重量%以上含む全ての成形品(フタル酸エステル類で可塑化された材料)について、欧州の市場に導入することを2020年7月7日から規制することが公表されました。

ここでの可塑化された成形品には、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、その他の樹脂(シリコーンゴムと天然ラテックスコーティングを除く)、表面コーティング材、滑り止めコーティング材、仕上げコーティング材、ステッカー、印刷材、接着剤、シーラント、塗料、インクが含まれます。但し、自動車と航空機用途に関しては、少し遅れて2024年1月7日から規制が実施されます。

EUでは、上記成形品の室内への持ち込みが原則できなくなる厳しい規制となります。

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国連環境計画UNEP報告書:地球化学物質概況

国連環境計画(UNEP)の報告書「Global Chemicals Outlook(地球化学物質概況)」は、2019年3月11日に公表されたものです。
以下のサイトからダウンロードできます。

https://www.unenvironment.org/news-and-stories/press-release/un-report-urgent-action-needed-tackle-chemical-pollution-global

この報告書では、2002年のヨハネスブルグ・サミットで合意した「2020年までに化学物質の有害な影響を最小化する」という目標の達成が困難な状況にあること、「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」(GHS)の未実施国は2018年現在で120ヶ国にものぼること、世界の化学産業の規模は2017年の5兆ドルから2030年には倍増すると予測されることを踏まえ、化学物質と廃棄物の健全な管理のための国際プラットフォームの形成を含め、化学産業のもたらす利益とともに、有害な影響を最小にするための取組みが急がれると報告しています。

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平成30年度生活衛生関係の厚生労働省報告

以下のサイトに厚生労働省が開催した平成30年度生活衛生関係技術担当者研修会の報告資料が公開されています。

平成30年度生活衛生関係技術担当者研修会(平成31年2月7日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu-eisei/gijutukensyuukai/

1)加湿器を原因とした老人福祉施設でのレジオネラ症集団発生事例
2)過炭酸ナトリウムを用いた洗浄と施設設備の衛生上の問題及びその解決策
3)建築物衛生の動向と課題
4)衛生害虫に関する最近の話題
5)民泊サービスにおける衛生管理

建築物衛生やレジオネラなど、近年の調査研究の結果が紹介されています。また、近年問題になっている民泊サービスにおける衛生管理についても報告がございます。ご関心のある方は、ご参考いただければと思います。

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WHOの報告書「健康的な環境による疾病予防」

この報告書は、2016年にWHOから公表されたものです。このたび、国立保健医療科学院が、WHOの許可を得て、日本語に翻訳した日本語版を公表しました。以下のサイトからダウンロードできます。

https://www.niph.go.jp/publications/

この報告書では、全世界の全死亡者の23%が環境に起因しているため、疾病に起因する環境要因を減らすことができれば、世界的に疾病に対するリスク要因を大きく削減できること、有害な環境からの曝露(気候変動や室内空気汚染)、不十分なインフラ、労働環境の悪化など、環境がさまざまなかたちで健康に直接的な影響を及ぼしていること、5歳以下の小児と高齢者が最も環境の影響を受けることなどを報告しています。

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