news letter 「住まいと健康」を考える 東賢一

WHOによる室内換気のロードマップ

2020年9月のトピックにおいてWHOからの情報としてお伝えしたように、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の主要な感染経路は、飛沫感染と接触感染と考えられています。しかしながら、エビデンスはまだ十分ではないのですが、換気の悪い閉鎖空間で飛沫核感染(空気感染)が生じた可能性がある事例がいくつか報告されており、予防的措置として適度に換気を行うことが推奨されています。

そこでWHOでは、COVID-19の状況下において、適度な室内換気を確保することや、そのための改善方法について、関連する専門家によるレビューを改めて行い、そのロードマップを2021年3月1日に公表しました。

室内換気は、COVID-19を含む呼吸器感染症の拡大を抑える包括的なパッケージの一部ではあるが、換気だけ(例え適切に実施されていても)では適切な保護レベルを提供するには不十分であり、マスク着用、手指消毒、身体的距離、咳エチケット、検査、接触者追跡、検疫、隔離、他の感染予防策がCOVID-19の二次感染を防止するには決定的に重要としたうえで、医療施設、非住居施設、住居施設における適正な室内換気量や空気浄化装置の使用および改善策に関するロードマップを公開しました。

各施設における換気条件については、WHOの医療施設に対する感染予防ガイドライン、欧州規格の換気基準等、以前からある換気条件をとりまとめたものとなっており、COVID-19専用の基準ではありません。しかしながら、COVID-19の流行下において、良質な換気を確保するために、建物のオーナーや管理者は、適切な状態で空調設備等が運用されているかをチェックするよう推奨しています。詳細は、以下のサイトから資料を入手することができます。

Roadmap to improve and ensure good indoor ventilation in the context of COVID-19
https://www.who.int/publications/i/item/9789240021280

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