news letter 「住まいと健康」を考える 東賢一

米国環境保護庁によるCOVID-19と室内空気に関する情報

COVID-19の感染は、主として人と人が濃厚接触することで生じると考えられています。しかしながら、新型コロナウイルスは、長時間空気中に残存することが報告されており、人と人の近接よりもさらに長い距離の間隔でも感染が生じるのではないかと危惧されています。

従って、まだ明確にはわかっていませんが、感染者との濃厚接触に加えて、室内環境中における飛沫核(空気中に浮遊する微粒子)によって、感染者との距離が2m以上でも感染が生じるかもしれないと危惧されています。

米国環境保護庁は、室内環境中における飛沫核を通じた感染には不確実性はあるが、precaution(予防措置、事前注意)の考え方に基づいて、この感染経路に対する対策を推奨しています。具体的な予防措置(precaution)としては、マスクの着用、社会的距離(2m)の確保、ウイルスで汚染された表面の清掃や消毒、手洗いの励行といった通常の感染予防策とともに、外気との換気を増やすことや空気の浄化(濾過)を推奨しています。

詳細は、以下のサイトにございます。次月度からは、さらに個別の対策の内容について米国環境保護庁の情報から紹介していく予定です。

Indoor Air and Coronavirus (COVID-19)
https://www.epa.gov/coronavirus/indoor-air-and-coronavirus-covid-19

なお、私と私の研究者仲間で、COVID-19の感染に係わる環境要因と、その対策に関する論文を執筆し、昨日公表しました。Environmental Health and Preventive Medicineという国際雑誌です。私の論文
の中でも、室内環境中における飛沫核(空気中に浮遊する微粒子)による感染については、不確実性はあるが、precaution(予防措置、事前注意)の考え方に基づいて、日本では換気が対策として推奨されていることを述べています。

Azuma K, Yanagi U, Kagi N, Kim H, Ogata M, Hayashi M. Environmental Health
and Preventive Medicine 2020;25:66.
https://doi.org/10.1186/s12199-020-00904-2
https://environhealthprevmed.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12199-020-00904-2

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