news letter 「住まいと健康」を考える 東賢一

ドイツの室内空気質ガイドライン-ベンゼンとベンゾチアゾール-

1)ベンゾチアゾール
ガイドライン1:15 μg/m3(暫定値)
主な排出源:加硫促進剤や酸化防止剤としてゴム製品に添加

2)ベンゼン
1.0 μg/m3(10万分の1の発がんリスク)
0.1 μg/m3(100万分の1の発がんリスク)
主な用途:一般溶剤、油脂、抽出剤、石油精製など

日本では環境省がベンゼンの大気環境基準として、1年平均値で3.0 μg/m3(10万分の1の発がんリスク)を定めています。

(参考)
ガイドライン2は健康影響ベース、ガイドライン1は予防のためのガイドラインです。ガイドライン2を越えていたならば、特に、長時間在住する感受性の高い居住者の健康に有害となる濃度と判断されるため、即座に濃度低減のための行動を起こすべきと定義されています。

ガイドライン1は、長期間曝露したとしても健康影響を引き起こす十分な科学的根拠がない値と考えられています。しかし、ガイドライン1を越えていると、健康上望ましくない平均的な曝露濃度よりも高くなるため、予防のために、ガイドライン1とガイドライン2の間の濃度である場合には行動する必要があると定義されています

従って、ガイドライン1が、長期間曝露による健康影響を未然に防止するうえで目指していくべき室内空気質といえます。

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