ブドウが美味しい季節となってきましたね。日本各地で交配や研究が繰り返され、たくさんの品種のブドウを目にすることが多くなりました。そしてビックリするのが、ブドウのネーミングがオシャレなことです。「ブラックスワン」「ブラックドルチェ」「ロザリオロッソ」「ゴールドフィンガー」「マニキュアフィンガー」etc…. 一度聞いただけでは「何?」と思うものや、ブドウと連想出来ないものもあり楽しませてくれます。
世界には10000種以上のブドウが存在すると言われており、ブドウの歴史は紀元前4000~3000年と古く、古代エジプトの壁画にも栽培の様子が描かれているそうです。大昔から人々の生活にはなくてはならない存在だったブドウ。日本には奈良時代に中国から伝わり、鎌倉時代初期には山梨県原種の「甲州ぶどう」が栽培されていたようです。
そして、私が住む石川県には日本一のブドウがあります。
加賀市・小松市・金沢市・かほく市・羽咋市の5市と、宝達志水町で栽培されている“高貴の宝石”と称されるそのブドウは「ルビーロマン」といいます。その名の通りルビーのように赤く輝くブドウです。
石川県内のブドウ栽培は「デラウェア」などの小粒品種が多かったのですが、「赤くて大粒のブドウが欲しい!!」というブドウ農家の願いを叶えようと、石川県農業総合センター・砂丘地農業試験場が、14年の歳月を費やして完成させたのです。
「藤みのり」という黒色の大粒品種を、生育や果実品質を基に選抜や研究を繰り返し行い、国内では珍しい赤色の大粒ブドウを作ることに成功しました。
「ルビーロマン」は1粒1粒がとても大きく、巨峰の約2倍もあり、国内品種最大級の大きさです。大きすぎて一口でパクリとはいきませんが、果汁が口いっぱいに広がってとても甘くて美味しいのです。私もまだ2粒しか食べたことがありませんが、ジューシーさにビックリしました。そして渋みが少なく後味が爽やかです。
気になるお値段ですが、今年の初競りは1房40万円の値が付きました。1粒が約1万1千円のブドウです。大きさも日本一ですが、値段も日本一のブドウです。
ちなみに2011年には過去最高の50万円の値が付きました。こちらの「ルビーロマン」は石川県出身のパティシエ・辻口博啓さんがプロデュースする洋菓子店「ル・ミュゼ・ドゥ・アッシュ」が競り落としました。
初競りはご祝儀相場なので値は高くなりますが、今は1万円前後でお買い求めできますよ。
今が旬の「ルビーロマン」おひとついかがですか?