カフェ DIXANS とケーキ、フケーキ

ケーキ

カフェ DIXANS  本山遼介さんの話。カフェの窓辺でつづきます。

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ケーキの専門学校に通っていた時の話でしたね。
ケーキをつくる実習というのは、基本的には4人で構成する班があって、その中でワンホールとかつくって、四分割してその場で食べるんですね。そんなふうに、技術的に向上させようというよりも、理論があって、それを納得してすすめて行くというカンジ。自分でやるのも大事ですが、他人のやっているのを見ていて、わかることもありますからね。例えば、他人がやっていると、時間がどれくらいかかるかは、よくわかりますね。

自分の得意でいうと、そういうケーキをつくることよりも、コーヒーについてでした。2年間の授業の中には、教養部分の授業もあって、コーヒー、紅茶、抹茶、茶道、テーブルコーディネイトみたいなことも、やるんです。それが、特技というか、楽しかったですよ、コーヒー淹れるのは。ええ、コーヒーはそれからずっと、いまに、つづいているカンジ。

で、国家試験のようなものがありましてね、それに合格するのが目的だったので、実技+座学ですよ。ケーキつくるのは好きだからいいけど、勉強はタイヘンでした。化学関係もあって、覚えることも多くて詰め込むのにタイヘンでした。でも、そうやって覚えたことって忘れませんね。ええ、試験は合格。

いま、さすがにケーキはつくらないですね。俺、ケーキつくれるんだよって、人には言いますけど、つくらないですね。だって、ケーキって、つくってもらったほうがおいしいんですよ。だって、ケーキって、贈りものですもの。もらったほうが、ゼッタイおいしい。好きなひととどうしたとか、そういう背景の見えるほうが、おいしいんですよ。雰囲気とかっていうのも、あるじゃないですか。ケーキを食べるにしても、2人で食べる、休憩中にリラックスして食べる。それぞれにおいしい。そういう背景ってあるじゃないですか。それが大事。お店をやっていると、そういう感覚になってきます。