オシャレ・カフェ・アップルパイ

カフェ DIXANS

カフェ DIXANSの窓辺で、店長 本山遼介さんの話、つづきます。

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いまもう、秋ですけど、考えているのは外がもう少し寒くなった時のこと…… あたたかいものを、そう、たとえばあたたかいアップルパイとかがいいですね。それがウケるかどうかは、わかりませんよ。でもそれは、ぼくが一番食べたいから。そういう自分の感覚です。いま日本の人口1億2000万の真ん中辺に、つまり6千万人目に、ぼくはいるんじゃないかと思っているんですよ。平均的日本人というわけです。それで、ぼくが食べたいものは、みんな食べたいに違いないと、お客さんと同じところに立っているつもり。その自分が何を食べたいか、考えた時に、あたたかいアップルパイなんですよ。アップルパイの上にアイスクリームをのせてもいいし、それって、あたたかい飲み物にも合いますからね。

あ、アップルパイをつくるのは、手間がかかります。あれは、外側が、皮がおいしくなければ。皮っていうのは、それを食べる時のワンタッチ目ですから、大事ですよ。…… ええ、でもまあ、すげえ幸運でしたよ。運の部分が大きいですよ。だって、自分の好きなこととお金になることが一致していたっていうのは。

いま、昔と違ってテレビで話題になるとかでなく、インスタグラム、SMSで話題になるんですね。それは、わかりにくい話題、というか、興味のある人じゃないとわからない。興味のある人には、ササル。やっぱり、スマホみたいにみんなが持っているものって、デカイですよ。場所から「オシャレ、カフェ」って探すと、お店がでてくるんですから。このへん、グループ、多人数でもオーケーという店が少ないですからね。たとえば、この店の2階は結構入れます。そこのところを、学生さんが話題にしてくれて来てくれる、というのが多いんじゃないですかね。それより少し年上の方は、グループっていうよりは、ひとりで来られますね。

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これから、こういうカフェがどうなっていくかというと、オリンピック後を考えても、スタレルということはないですよ。そうしたなかで、ぼくが考えているのは、こういう仕事を長くやっていながら、恵まれない人、お店を辞めざるを得ない人、がいるんですよ。そういう人の受け皿になりたい、ということですね。

カフェ DIXANS