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10月8日(土) ~

10月17日(月)

黒畑日佐代

Kit 黒畑日佐代

黒畑さんと私はふたつ違い。
お喋りしていると同時代感がうっすら流れてきて昔はこうだったねああだったねとそれぞれの思い出話に花が咲く。
意外なことに、子どもの時にはいつか雑貨屋さんになりたいと思い、ものを扱うなら作り手の気持ちが分かった方が良いのではないかとガラスを学んでから、焼きものに転じ落ち着いたそうだ。
今は福岡の山奥に小さな工房と家を構え、家族と暮らしている。
ここで食卓を囲んでいるとかつて過ごした部屋を思い出す。
それは6畳の子ども部屋で私はここを極私的スペース…城にすべく、夜な夜な家具の配置変えをしたり本の並びを変えたりフラワープリントのフォトフレームやドアノブカバーを作ったりと日々忙しくしていた。
小さなおうち。そこではとても小さく、素敵なことが起こっていたような気がする。

黒畑さんの楽焼のカップを20年ぐらい前に購入し、気に入って使っていたが割れてしまった。
再会して、あの時と土や釉薬は変わっているが今でも同じやり方で同じようなものを焼いていて嬉しくなった。
使用する灯油窯が小さいことからカップや豆皿などが多く、どれも生活に身近な愛らしい小作品だ。
楽焼は窯から出してすぐ急冷するため、黒く貫入が入る。
そんな可愛いやら渋いような感じも好きなのだが、なんといっても厚くも薄くもない体と口元が良い。
料理に負けず、勝ちもしない最高のバランスなんじゃないかと私は思っているが、そのまんま置いているだけでも成立する。
轆轤だけでなく、手のひらで押したり時にはくり抜いてつくるものに黒畑流の造形を感じていて、日常にそんな精確なかたちが在ること、実はそれが一番の魅力だと思う。

朝一番、小さなマグでお白湯をまず一杯。
ひとり分の目玉焼きとベーコンとウインナーを焼いて5寸の皿に盛る。
相変わらず私は今でも小さな部屋に住んでいて、このぐらいのサイズ感でちょうど良いかな、なんて思っている。
なぜだろうか、この柔らかい器には朝の光がよく似合う。
今日もここから小さくて素敵な日がはじまる。

- 黒畑日佐代 KUROHATA Hisayo -
1979年 富山県生まれ
1999年 能登島ガラス工房吹きガラス1年コース修了
2001年 岐阜県立多治見工業高等学校陶磁科学芸術科卒業
2007年 福岡県うきは市に開窯
日 時2022年10月8日(土)~10月17日(月)12:00~18:00
※定休日 10/11(火)、12(水)
場 所Kit 京都府京都市上京区一町目853-2
H Phttp://kit-s.info
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備 考写真:高橋マナミ

※詳しくはこちらをご覧ください。

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