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12月6日(金) ~

12月23日(月)

関島寿子 バスケタリー

ギャラリー 日日 関島寿子 バスケタリー

手に持てるほどの小さなバスケタリーが私たちを振動する。植物の繊維が建てた空間には、左右も天地も見当たらない。始まりか終わりか。ありきたりの問いが打ち砕かれ、感受性のレンズが開く。

持ち上げて、覗き込む。指先に触れた繊維は削がれた皮になお艶かしく野生を香らせており、上から下へ、下から上へ、非自然に折り曲げられ、反り上がる。いつしか私たちは線樹林のなかを彷徨っている。裂け目、割れ目、隙間、無数のつながりあう空洞から、内と外を思うままに行き来してみる。

それは精緻な計算と計算の外側が織り合い、整数と乱数が編み込まれたかごである。植物を編むことで、摂理と観念を往来してきた作者の道程といってもいい。その数は700に及ぶ。体まるごとで真理に向かうことでしか到達できない形態を、子供も抱えられる軽快でチャーミングな事態もまた、作者の織り込み済みだろうか。私たちはここにしかない自由を味わい、智の悦びで溢れかえる。そして眼を移した瞬間から、新しい世界を生きることになる。

2024年最後の展示会として、バスケタリーアートの第一人者である、関島寿子さんの展示会を開きます。京都では3回目となる今回の展示会では、「結ぶ」、「組む」、「捻じる」、「縒る」また「絡める」などあらゆる技法を用いた、バスケタリーの集大成ともいえる作品が揃います。またご自身も在廊されるとともに、12月7日(土)に智美術館の主任学芸員である島崎慶子さんとのギャラリートークを催します。
今年、関島さんの著書である「バスケタリーの定式」が36年ぶりに再販となりました。「編む」を工芸的、美術的に指南するだけにとどまらず、哲学する関島さんの軌跡を一緒に辿りながら、「問い」の素晴らしさに眼が開きます。ものづくりに関わるのなら、必読の名著です。本展でも販売いたします。

関島寿子|Hisako SEKIJIA
1966年津田塾大学英文科卒業。28歳の時に趣味としてラタン編みを始めた。1975年、夫の赴任地であるニューヨークに移る。ニューヨークの美術館やギャラリーを通して、さまざまな異国文化に接し、古来からの編み技法をじっくりと研究する機会を得た。米国の現代編み技法(バスケタリー)の最先端アーティスト(エド・ロスバック、ジョン・マックイーン)との出会いによって、初めてバスケタリーへの目を開かれる。このアーティスト達が、古来の編み技法をマスターしながらも、やがて自らの斬新的な手法を見出して行くのに魅力を感じ、この時から、バスケタリーのみに専念するようになる。多種多様な天然素材との取り組み、奇抜な編み構造を生み出す豊かな着想力、絵画的な想像力、作品の日常性と非日常性。そして魅力的なキャラクター。今日、関島寿子は世界的なバスケタリーの第一人者である。
◾️GALLERY TALK(参加無料、予約不要)
「バスケタリーの定式と創作の関係」
日時:2024年12月7日(土)14:00〜15:30
場所:日日 gallery nichinichi
話すひと:関島寿子、島崎慶子

島崎慶子(菊池寛実記念 智美術館 学芸課長)
2008年に菊池寛実記念 智美術館入館。現代陶芸専門。2019年4月から同館主任学芸員。近年の企画・担当展: 2014年「陶の空間・草木の空間―川崎毅と関島寿子 」、2018年「線の造形、線の空間 飯塚琅玕齋と田辺竹雲斎でめぐる竹工芸」、2019年「野蛮と洗練 加守田章二の陶芸」、2020年「菊池コレクション―継ぐ 今泉今右衛門、酒井田柿右衛門、三輪休雪、樂吉左衞門」、2021年「三輪龍氣生の陶 命蠢く」、2022年「畠山耕治ー青銅を鋳る」、2023年「河本五郎 反骨の陶芸」、「陶芸の進行形」

Instagram
本展の様子や出品作品を@gallery_nichinichiでもご紹介いたします。

VIEWING ROOM
本展のしめかざりをVIEWING ROOMでご覧いただけます。
※公開は12月6日11時です。

ZOOMでのお買い物
ギャラリーにお越しになれないお客様のために、ZOOMにて作品をご案内いたします。常設作品についてもご案内可能です。メールでご要望をお聞かせください。

日 時2024年12月6日(金)~12月23日(月)11:00~18:00
※定休日 火曜日
場 所ギャラリー 日日 京都府京都市上京区信富町298
H Phttps://nichinichi.com/
S N S
備 考※詳しくはこちらをご覧ください。

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