6月11日(火) ~
6月17日(月)
塩山まこと「初めての個展」
私は絵描きではありませんから絵を描こうとしたら
一から何をどう描くか考えなければなりません
手当り次第身近にあるもので何にでも構わない
えいっ と切ったり貼ったり何処で了ってもいいと思って仕上げるのです
出来た作品は大抵風変りな言わば落書です
思い付きで出来た中途半端な作品です
常々私はこう思っています
比べるべくも無いのですが「モナリザ」は未完である
「サグラダファミリア」は未完成ですが立派に出来上がって見えます
ガウディもダヴィンチも自身製作途中で完成したという実感は無いのだろうと私は思っています
だから というのも変ですが巨匠ではない何者でもない者の作品などは
何処で筆をおりても文句を言う人はいないでしょう
晩年の北斎はあと十年生きられたらもっと上手い絵が描けると言ったとか
彼等が長生きしたら必ず面白い作品を残せたでしょう
天賦の個性はさておき
そろそろ晩年の私は私の出来る事をするしかないのです
今 私に出来る事は限られるけど何もしないで
うつうつとした年寄りでいるのは辛い
もう少し生き生きした変り者の老人でいたい
嫌だ嫌だと言い乍ら自慢そうに小さい絵を描いて暮らしたい
あゝ こんな傲慢な老人になるはずでなかったのに 恥しい
—塩山まこと