Aiko Kuno作品展「萌す」

産まれたてのやわらかい新芽が芽吹くとき、爆発しては落ちいてゆくことを繰り返すエネルギーが、ひとしれず、しずかに存在している。
萌す。終わりないやわらかな命のひかり。
きらきらと、名前のわからないやさしい草。雨の後の雫。
愛しい人の、光をはらんだ髪。
コンクリートに伸びる、小さなつぼみの枝の影。
照らすのはいつも、どこか遥か遠くで烈しくもえては消える、触れられないほどの熱いひかりなのだと想う。
わたしは、度々温かく、果てしない気持ちになる。そういった心をささやかでも描けたなら幸せに想います。