4月29日(土) ~
5月12日(金)
東好美「pappir og steinn」
昨年夏、アイスランドの地を訪れ、制作活動をされた東好美さん。
多くの火山、氷河、フィヨルドが織りなす大自然の情景。
滞在した北西部の小さな町も、海と山に囲まれた空が遠く見渡せる場所だったそうです。
海岸に出て奇妙な形の海藻や石を拾い集めたり、火山島ならではの特徴的な荒々しい大地を歩いていると、普段目にしたことない自然が作り出す形状にたくさんの驚きがありました。
そこで感じたこと、受け取ったインスピレーションを、今回の展示に向けた作品づくりに映し込み、また、書店である恵文社での展示ということでさらに「本=紙」という要素を重ねていき、作品が生まれました。
紙を重ね合わせてつくられる本。書く人、読む人の思考や記憶が重なっていく。
アイスランドの溶岩が重なりできた地層や地形の断面。
植物は根を深く張ることが出来ずに、地表に根を這わせ複雑に重なり模様を生み出している。
紙の折り目、細かい線が入り乱れる皺。
陶磁器の釉薬の部分にできる細かいひび模様・・・
昨年の展示から一年、訪れた地、五感で感じたものから連想を繋げ、イメージが幾重にも重なり生まれた新しい作品をご覧ください。
それらはわたし達の想像力を静かに掻き立て、今いる場所とどこかが繋がり、連想の続きへと誘ってくれるでしょう。
東 好美 Yoshimi Azuma 京都生まれ。京都教育大学美術学科卒業後、渡仏。 MJM graphic designでディスプレイデザインを学ぶ。 京都府陶工高等技術専門校成形科修了。 手のひらに収まる小さな器から、私たちを包み込む空間という器まで。 テーブルウェアからはじまる空間づくりの提案をコンセプトに活動を続けている。