ぼく自身に関して、お金持ちでも無く特に何もないのですが、豊かな心はあると思っています。

 

ルーラルカプリ農場は乳牛時代からの施設そのままの特に飾り気のない場所です。自然を生かして時の流れに沿い、朽ちていくものの美しさに気づきながら修正したり、農場にフィットするものを取り入れたりしながら、作り過ぎないちょうど良いバランスを保とうとしています。

 

新しい物の中にも古い物の中にも良いモノがあります。決めつけたりこだわり過ぎるとぼくは違和感を感じてしまうので、そこは自分なりに考えてます。そして、少しでもここで豊かな時間を過ごしてもらい、できれば豊かな気持ちのまま、その後の日々を過ごして頂けますように、と心から願っています。

 

さて、そうはしているものの、ここを訪れる人がどう感じるのかはそれぞれのようです。とくに動物嫌いでなければ、身も心も癒されて、帰りたくない、ずっとここに居たいと思ってくださる方も多いです。でも、何も感じてない方もおられるかもしれません。

 

経済の影響などもあり、ここ数年よくあることなのですが、たとえば家族5人で来られてもソフトクリームなどを1つだけというご家族もおられます。なかには、ソフトクリーム1つなのにスプーンだけ5個くれ、という方もおられます。う〜ん、これってどうなんでしょう?事情はあるにせよ、せっかく遊びに来たのだから普段節約に励んでいる分、多少奮発しても子供の夢はとことんまで叶えてあげようという覚悟も、子供の豊かさを育てるのには必要なのではないでしょうか。

 

「三方よし」という言葉があります。
http://www.shigaplaza.or.jp/sanpou/ethos/source.html

 

江戸時代の近江商人の活動の理念を表す代表的な言葉で「売り手よし、買い手よし、世間よし」の精神として知られているのですが、お金に限らず、相手に対する思いやり、愛情は必ず巡り巡って戻ってくるだけでなく世の中も良くなるということです。

しっかり働いて稼いだお金ですが、「受け取る、そしてキープ、キープ」では心がすさんでしまいそうです。

 

そこでぼくが提案したいのは、どんなに忙しくても財布はピンチでも、週に何度かはカフェでひとり美味しいコーヒーを飲みながら読書をしたり、仕事が終わって疲れた疲れたと真っ直ぐ家に帰るのではなく、素敵なカフェ・バーで仲間とお酒でも飲んで過ごしてみては?せめて月に一度ぐらいは家族でも個人でも、いつもより少し贅沢なレストランへ食事に出かけてみてはいかがでしょうか?ルーラルカプリ農場に来た時くらいは、1人ひとつくらい何か持たせてあげてはいかがでしょうか?

多くの人がそのようにすることでこそ、巡り巡って豊かな地域創りができるのだと思います。

 

ぼくもルーラルカプリ農場を始めたころは、それはもうお金がなくて・・・本当に大変でした。それでも、ぼくがそんなに苦しんでいる事に気づいている人はほとんど居なかった、と自信を持って言えます。苦しい時も心だけは豊かだったのです!

しぼり出して使ったお金を通じて出会った素敵な人々に支えられて、今もこうして農場をやっていられるのです。

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