
ルーラルカプリ農場には120頭ほどの山羊の他に、数頭の豚、ミニチュアホース、うさぎやクジャク鳩などもいます。豚はいわゆるミニブタなのですが、実は先日2頭目を食べました。うちのスタッフたちで分けたり、イタリア料理店に送ったり、あとは友人たちと集まり、夜のミニブタを食す会で感謝していただきました。そのような話をお客様や身の回りの人に話すと反応はとてもさまざまです。
以前ある方よりメールで問い合わせ頂いた質問に答えた事を思い出し、その質問へのぼく自身の回答を皆様に読んで頂きたいと思ったのです。それはこのようなものでした。
お問合わせ内容は以下の通りです。
「こちらの山羊はある時期が来たら一部でも肉食用にと殺されますでしょうか?
動物が極端に好きで、可愛いと言いながら育てた家畜を殺して食べるにしのびなくベジタリアンを心がけています。乳も血液だということ知っています。牛乳が出なくなった牛はやはり殺されていくことも知っています。しのびなく乳製品も極力避けています。
でも、御社が子山羊の授乳を優先し、少し分けてもらっているだけ、かつ、と殺は一切行わず、触れ合いや一部ペット販売?をされているだけなら、心置きなく食せるかなと思い、問い合わせさせて頂きました。」
ぼくの返信です。
「○○様
お問い合わせありがとうございます。
本当に動物を愛しておられるのですね。
世の中にはいろいろな考え方がありますので、私は個人の考え方を尊重しています。
ルーラルカプリ農場の乳山羊は乳牛と同じように最終的には沖縄に行き、沖縄の食文化でもある山羊料理として最後の役目を果たします。生まれた雄山羊も8か月位で同じく食肉用として沖縄に行きます。小型種の山羊は来場者と触れ合い用に、一部ペットとして家族の一員となります。もちろん本当に山羊を育てられるのかどうか何度もお会いして話し合ってからでないと決してお譲りすることはないです。
大昔より世界中で肉や魚、乳製品を食する文化があります。それは現在に至るまで残酷なことが繰り広げられているとは考えていません。命を頂くときに感謝の気持ちを持つことが大切です。私は食べてあげることも愛情だと考えます。
売れ残って捨てられるもの。注文したのに食べ残し。出されたものが食べられずに捨てられる...。命を育てる仕事をしていると食べてもらえなかったものを見るのはくやしいのです。何の為に命を差し出したのかな、と思うからです。
野菜にも命がありますね。人間に与えられた命の産物をバランスの良い食生活に役立てて頂きたいと思います。生活はバランスを持つことがとても大切です。食に関しても、大量消費の世の中でバランスをとるのはとても難しいです。それでも世界中にいろいろな習慣もあれば事情もありますし、安全性が疑問視されているものもあります。でもそれぞれが世の中には必要なのです。
大切なことは感謝の気持ちですね。菜食主義の考え方も尊重しています。自身にあった食生活が良いと思います。でも肉や乳製品を避けておられると聞き、寂しい気持ちにもなりました。命を育ててきたからこその寂しさでしょうか。
長くなりましたが、命をありがたく頂くことも愛情であるということを頭の片隅にでも入れて頂けますように。
小林 真人
ルーラルカプリ農場」
皆さんはどのように考えますか?



- vol.01 はじめまして!
- vol.02 新しい世界づくりのために
- vol.03 ヨーロッパより戻ってきました
- vol.04 関東へ行ってきました
- vol.05 いつも心はニュートラルで
- vol.06 命に感謝していただく
- vol.07 豊かな生活を取り戻す秘訣とは
- vol.08 「頑張る」のではなくて
- vol.09 時代を越えて生きるということ
- vol.10 ありのままの自分でいられるものを創りたい
- vol.11 知らない世界に連れてって
- vol.12 不完全さこそ、素晴らしい個性
- vol.13 不得意なことはしない
- vol.14 矛盾があるから人生が楽しい
- vol.15 素の自分に自信を持つということ
- vol.16 目に見えない実在するもの
- vol.17 お金やモノより、人を残したい
- vol.18 音は自分の指の中にある
- vol.19 東京より、農場を想う
- vol.20 本質をしっかり見つめて、継続する — 農場のゆく年くる年
- vol.21 自由を捨てるのも、また自由!
- vol.22 念願の新しいトイレが完成しました