もう年の瀬、1年1年はなんて早いのでしょう!

 

振り返ってみると前進もあれば、足踏みもありますね。可能な限りフットワークを軽く動いて来たつもりです。狭い日本国内ですからどこも近いものです。東京へはいつも夜行バスで移動するので、目覚めてみたら新宿。どこでも寝られる体質はありがたいです。そしてなんといってもぼくが留守の間、農場を守ってくれるスタッフ達に本当に感謝しています。

 

ルーラルカプリ農場さて、ルーラルカプリ農場の年末年始は、無休です。山羊達はお正月を理解できないですから、特別なことは何もしないので、ぼくにとって世の中のクリスマスムードやお正月は、不思議なものに思えます。スタッフ達はお正月くらいゆっくりしたいはずですけれども、交代で働いてくれています。ですからぼくも必ずお正月は農場にいますが、意外と農場にはお客さんが来られたりもします。そんな感じで新年はスタートします。家畜を飼育するだけでなく、農場を開放し、乳の生産から製造、販売までとなると想像以上に苦労が伴います。スタッフを十分に休ませるシステムを確立しないと、運営はとても難しくなります。

 

先日、ぼくが農場の構想中に勉強させてもらった牧場の皆さんが、なんとうちに勉強に来られました。話していてやはり同じような苦労をしてこられたのだなぁと思い、なんだかホッとしました。「シンクロナイズドスイミングみたいなもんだよね」と。農場は長閑でゆったりした場所に見えますが、水面下では結構なエネルギーを使っています。それでも、心のゆとりだけは持っていないとやっていけません。忍耐強さとは苦労を表情に出さないことです。正しい方向に向いているという確信が、目の前の小さな障害に惑わされないように自分を支えてくれます。

 

前回、お家で山羊を飼いたい方の困ったエピソードなどをお話ししましたが、可愛いから飼う、そんな都合の良い話だけではありません。世の中、なんでも都合の良いもので溢れかえっていることに、とても違和感を覚えますね。ぼくがこうやって飛び回る理由は、単に商品を渡しておしまい、にしたくないからです。家族とスタッフの幸せを願い、取引先様を含めせっかく出会った大切なご縁として、末永く繋がって行きたいからです。商品を出荷して消費されるまでの現場感覚を持ち、相手の気持ちを理解したいのです。その中で楽しさや苦しさも共有したいのです。商売はもちろん、食のこと、エネルギーのこと・・・本質をしっかりと見つめなければ継続は難しいと考えます。

 

こんなに言うとずいぶん真面目に生きているように聞こえますが、それはまったくそうではなくて、実はだらしないことも多くて笑っちゃいますが、根っこと柱だけはしっかりしていないといけないと思っているわけです。歴史や文化に敬意を払うとともに、新しいものの恩恵も取り入れて、絶妙なバランス感覚で豊かな生き方を目指すのです。

 

さあ新しい1年が始まります。どこかに向かえば何かに出会い、繋がり、またその先に出会いがあり・・・という繰り返しと、その展開を楽しみながらチャレンジしていきたいと思います!

 

来年も、どうぞよろしくお願いします!

 

 

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