7月19日(土) ~
7月29日(火)
壷田和宏 亜矢 ー 続 炭化焼き〆
熱量で焼く土のかたち
窯の中の酸素を奪い、高い温度・熱量を与えて焼き〆る、炭化焼き〆。
2022年の展示では穴窯で焼くこの技法を中心に制作をしていただいた。
壷田和宏・亜矢さんの表現方法は多岐に渡り、それぞれ魅力があるが、特に炭化は二人が大切にする土の特性・魅力を最大限に活かせた気がして、いつかまた続きをしたいと思っていた。
むしろ、炭化でしか上手く焼けないという 黒原(くろばる)原土は、白粉(おしろい)のようにキメ細かい土で、自宅の近くで採掘し、粘土にしている。
他の土とは混ぜずに原土のまま焼くと、見た目とは真逆の印象的なグレー色になり、温度によってはベージュ・ピンクのグラデーションが付くこともある。
この土は緩くて崩れ易く、大きく立ち上げるのが難しい。
シンプルなプレートや高台の形状は、これが限界がゆえのかたちだそう。
B品の器を鋳型にする方法は、粘土を精製する時にボウルに容れておいた土が、そのフォルムを自然に記憶して器のかたちになった経験から。
素材と一緒に並走し、土が気持ち良く姿を留める点を探ったり、その辺りに散らばっている美を見い出し・引き出したりしながら、気持ち良くかたちは決まっていく。
壷田さんから、炭化は温度というより熱量で焼くと教えられ、その言葉が響いた。
土に物理的な力を加えて色んな姿に変えているが、それは表面のはなしで、真ん中に感じるのは熱量の働き。
見えないその力には日常の決まりごとから解き放たれた、ひと時の完全なる自由がパッケージされている。
壷田和宏 亜矢 / Kazuhiro , Aya TSUBOTA 1972年 和宏 三重県伊賀市に生まれる 亜矢 愛知県安城市に生まれる 1995年 愛知県芸術大学陶磁器専攻科卒 愛知県長久手市に登窯を築窯 2000年 三重県伊賀市融栗谷に穴窯築窯 2009年 宮崎県高千穂五ヶ所に登窯築窯 2011年 同地に穴窯を築窯
日 時 | 2025年7月19日(土)〜7月29日(火)12:00~18:00 ※会期中無休 ※作家在廊日 7/19(土) |
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場 所 | Kit 京都府京都市上京区一町目853-2 |
H P | http://kit-s.info |
S N S | |
備 考 | ※詳しくはこちらをご覧ください。 |