サラリーマン時代や普通の酪農家だった頃、世の中やその業界の問題に関してもがいている自分がありました。景気が悪いだの天候が悪いだの餌の設計がどうしたの、乳価が安いだの、組合が問題だの・・・でもぼくには関係のない事だと気付くようになりました。すべては自分の中にあると。

 

父が亡くなり、間もなく妻が病気になり亡くなるという経験の過程で、失うものは大き過ぎたのですが、多くを得られたのです。機会の中の問題を取り上げて言い訳するよりも、問題の中にある機会を見出そうとしてきました。

 

本をたくさん読んだ時期でもありました。『マスターの教え』や『アルケミスト』、『7つの習慣』などはいつも手の届くところにあり何度も何度も読んだ本です。『マスターの教え』の初めには「僕は自分の運命の主人だ」と書かれています。パウロ・コエーリョの名著、アルケミストからは直感に従う勇気を学び、彼の他の著書から「魔法の瞬間」を逃してはいけないと心に刻みました。常にその先に進むこと。また、スティーヴ・ジョブスが最後のスピーチで残した言葉は有名ですね。

 

Have the courage to follow your heart and intuition.
「自分の心と直感に従う勇気を持とう」

 

They somehow already know what you truly want to become.
「心と直観とはあなたが本当に求めるものを知っています。」

 

Stay hungry, stay foolish.
「ハングリーであれ、バカであれ」

 

ストイックな話ではなくて、シンプルに風のように生きようとしました。世にあるシステムの中でもがくより、自分らしいスタイルを創るしかないと思い、描きはじめたのがルーラルカプリ農場です。スタート前から何度も辛酸を舐めましたが、実は結構楽しいものです。

 

まだまだ道の途中で不細工な農場です。でも不細工なままで進化していきたいのです。

 

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