この度、コラムを担当させて頂くことになりました小林真人と申します。

ぼくは岡山県の岡山市郊外にあります山羊牧場「ルーラルカプリ農場」のオーナーです。

岡山市中心部より車で30分程度葡萄の産地でもあり、とても豊かな自然の中で生活しています。ここで山羊を育てて乳を搾り、その乳でヨーグルトやチーズを作っていますが、 最近は無農薬有機で畑も始めました。農場は開放していますので、いつでも人懐っこい山羊たちと触れ合いながらゆっくり過ごすことが出来ます。

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農場は2006年春にオープンしましたが、もともとは乳牛の酪農家でした。 明治43年創業で、先祖は明治8年にアメリカのカリフォルニア州に行き、ホルスタイン種という乳牛を日本に導入したのです。ぼくで4代目となります。

日本の酪農も良い時代もありましたが、ご存知のように今では経営が大変厳しくなってきています。「なぜ山羊なんですか?」とよく聞かれるのですが、その理由はたくさんあるのです。一番の理由は、山羊の乳の乳質にあります。人の母乳にもっとも近いとされる山羊ミルクはどんなすぐれた牛乳よりも人の体には有効なのです。もちろん牛の乳でブランド作りも考えたのですが、国内にもいくつも本当に立派に経営されているブランドを持つ酪農家がありますから、競争をしたくはなかったのです。マーケットは常に競争です。品質、価格、イメージ…。イメージで売る気にはなれませんし、品質といっても限界もあります。手間隙かけて作ったものをやたらと安くしてはどうにもなりません。

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ご存知と思いますが、「乳」というのは血液からできているのです。牛や山羊たちはまさに、「命を削って」乳を出しているのです。肉用の家畜のように、肉になるまで立っていられればよいのではなく、毎年仔を産み、毎日「乳」を生産するために、バランスを考えて栄養を与えなければなりません。水のように沸いて出てくるものではないのです。自分が始めるからにはそういうことではなく、独自のスタイルで喜んでもらえるものに取り組みたい。と考えていたとき、山羊と出会い、決断しました。そして、流通システムを避けて創造的な方法を見出すために「ドゥ・イット・マイセルフ」倫理に重点を置きました。

迷っているよりは「何事も動きながら考える」というスタイルでスタートしました。「火の上をいかに上手く歩くか」という点で成長したつもりです(笑)。難題や苦労もありましたが、たくさんの素敵なことがあることも確信していました。山羊は、美味しさと栄養だけでなく、本当に世の社会に役立つ動物だからです。

ぼくたち農場の考え方は、「とにかく世の中の役に立つことを続けていきたい」ということです。その点、山羊は健康、教育、セラピー、福祉、環境など、さまざまな役に立つことを兼ね備えているのです。山羊ミルクは母乳に代る唯一の栄養源であり、山羊の人懐っこさは、多くの人の心を癒してくれます。情操教育にも役立っています。幼稚園、保育園、小学校、地域の公園、耕作放棄地などで山羊を飼うことにより、素晴らしい効果が耳に入ってくることは、私たちにとって本当にうれしいことなのです。

今でも珍しがられることが多いですが、そもそも常識などというものは妄想です。国際社会ですので、もっとグローバルなスタンダードを意識して、自分らしくよりシンプルな生き方をしていけばよいのです。

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 ルーラルカプリ農場に訪れることで、隣の人に心を開き、微笑みかけ、いつもよりやさしい言葉をかけられる。そのような農場でありたいと思います。

ルーラルカプリ農場は、観光農場ではなく、山羊を育て、乳を搾り、チーズやヨーグルトをつくっている、ひとつの農場にすぎません。それでも、ここを皆さまに開放してゆったり、のんびりと過ごしてもらい、山羊たちと触れ合い、乳製品を味わってもらえることを本当に誇りに思っています。そしてなにより、皆さまとの出会いを大切にしていきたいと考えています。

今回このようにコラムを書かせていただくのですが、あまり枠にはまらず生きていて感じることを自由に書こうと思っていますので、どうぞよろしくお願いします!

 

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