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2月8日(土) ~

2月23日(日)

篠原勝之「花紅開宇宙」展

LIBRAIRIE6 篠原勝之「花紅開宇宙」展

Galerie LIBRAIRIE6では、篠原勝之「花紅開宇宙(はなくれないうちゅうにひらく)」展を2025年2月8日(土)〜2月23日(日)まで開催いたします。
長く続いた鉄の時代から土器の時代に移り、三度目の個展となる本展。
ゲージツ家KUMAさんの手によって、捏ねて焼かれた「空っぽ」約50点にくわえて、手漉き和紙に込められた一字の書を展示いたします。

■トークイヴェント開催のお知らせ
KUMA(ゲージツ家)+ 久保井研(劇団唐組 座長代行)
日程:2025年2月9日(日)18:00〜
定員:30名
料金:¥1,500-
要予約
※1月24日(金)13:00より[TEL]03-6452-3345 にて受付いたします。
※イヴェント開催日は17:45に閉廊いたします。

 まとわりつく泥との境界は曖昧だった。泥をベチベチと右掌へ、左掌へ往き来させるビンボーゆすりみたいなやり取りは段々と激しくなる。意味も目的もないベチベチをただ執念(しつこ)くやっていた。
 この独りキャッチボールには球体に育てる機能が潜んでいたのである。しかし、あまりにも丸すぎる泥まんじゅうに不満だったジジイは暴挙にでた。天辺に突き立てた親指が刹那に泥団子に消えた。
 ゆっくり引き抜くと親指のカタチをした空っぽの孔が現れた。充たしていたモノがそっくり消え〈不在〉の出現である。鉄の硬さに接するたびに自分の輪郭がクッキリしたけど、土の柔らかさは輪郭をボンヤリさせてオレを土の果てまで拡げていくではないか。空っぽに突っ込んだ両の親指の腹で粘土の壁を圧し、外側から人差し指と中指で支えながら押し広げていく。境目なぞいつも自在がいい。
 火遊びの小さなマッチの火種が春一番に煽られ、ひと山を黒焦げにしたガキの記憶から、やがて鉄を溶かす火に風の量を加減して還元や酸化して焼成する火力を覚えた。やっぱし火と風の力だ。ジジイになって迎えた土のジダイ。手捏ねした土の空っぽを1240℃の火力で焼いている。
—篠原勝之

篠原勝之 – Katsuyuki Shinohara –
1942年 札幌に生まれ、鉄の街・室蘭に育つ。高校卒業前に家出、上京。
武蔵野美術大学中退後、グラフィックデザイナーとして広告制作会社に数年勤務。
退職後サラリーマンと決別するためスキンヘッドに。日雇いのアルバイトをしながら挿絵画家、絵本作家として棲息。
1973年~1979年〈状況劇場〉のポスター・舞台美術を担当。1981年、エッセイ「人生はデーヤモンド」で注目を集める。
1985年 都心のビル解体現場で瓦礫から剥きだしになった鉄の姿に衝撃を受け、「鉄のゲージツ家」を宣言、スクラップ鉄を素材に作品を精力的に制作。
1995年 山梨県北杜市にキューポラ炉を備えた作業場を構える。
光・風・土・水といった自然のエネルギーに呼応するダイナミックな造形は国内外で制作、展示、常設される。
日 時2025年2月8日(土)〜2月23日(日)12:00~18:00(最終日 〜17:00)
※定休日 月・火曜日
※作家在廊日 2月8日(土)・9日(日)
場 所Galerie LIBRAIRIE6 + シス書店 東京都渋谷区恵比寿南1-12-2 南ビル3F
H Phttps://librairie6.com/
S N S
備 考※作品のお問い合わせは [Mail]info@librairie6.com までお願い致します。
※SNSからのお問い合わせはご遠慮下さいませ。
※詳しくはこちらをご覧ください。

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