12月14日(土) ~
12月28日(土)
笹川健一 個展「侘数寄の感情、その私的解釈」
笹川健一の作品と対峙するとき、静かに − 私たちの世界は悲しくも美しいのだということをあらためて感じる。触れれば崩れてしまいそうな器の姿に宿る、儚さ、緊張と永遠性。それは詩的なものの断片のようだが、しかし笹川は素材への情景ではなく、素材との極めて実際的な関わりによって現そうとするという。ガラス作家であり美術家でもある笹川健一が素材の向こうに眺めるものは、悲哀や非情といった日常の地続きでは美と捉えることが難しいものを根底にした美しさ。日本美と解される侘数寄への問いと自身の持つナショナリティへの矛盾をガラスの虚構性に重ねて制作される造形は、うつわの形が持つ潜在的記憶によって個々人の感情と結びつく。私たちの日々の中に生まれては消える刹那の光は、ときに残酷で、同時に強烈な美しさをもっている。今回の展覧会は、近年のライフワークである食器を離れ、原点でもある立体作品をと企画し、数年をかけて準備してきた。ギャラリストとしては、笹川健一という繊細な人物の眼差しの奥にある熱量を魅せていただきたいと心待ちにしていた展覧会。ぜひ多くの皆様と共鳴し、喜びと感動を享受したい。
GALLERY crossing 黒元実紗
笹川健一|SASAKAWA Kenichi 1981年神奈川県生まれ。2005年京橋のギャラリー山口(閉廊)にて初個展。2006年に多摩美術大学大学院を修了後、金沢卯辰山工芸工房に在籍。退所後は窯借りをしながら作家アシスタント、多摩美術大学助手を経て2017年より京都府南部にて制作。器物を介して日本固有の美意識や精神性を探る。主な展覧会に個展「視点と印象」(GALLERY crossing/岐阜/2021)、「ダブルリフレクション 世界を見つめなおす瞬間」(富山市ガラス美術館/2018)、「もう一つの工芸未来派」(銀座和光/東京/2018)、「美の予感・啓蟄」(高島屋各店/2016)、「Allure of Japanese Glass」(Pittsburg Glass Center/アメリカ/2007)など
日 時 | 2024年12月14日(土)~12月28日(土)13:00〜17:00 ※休廊日 水・木曜日 ※作家在廊日 12/14(土) |
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場 所 | Gallery crossing 岐阜県美濃加茂市太田本町2-3-22 |
H P | http://gallerycrossing.com |
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備 考 | ※詳しくはこちらをご覧ください。 |