3月16日(土) ~
3月24日(日)
オオタ硝子研究室(太田良子) 展
学生の頃から実験が好き。
理科化学のビーカーが好きで、白衣に対する憧れがあった。
「太田」という漢字は好きじゃないけど「硝子」という漢字は好き。
一人でコツコツやるイメージだから「研究所」ではなく「研究室」がいい。
こうして生まれたのが「オオタ硝子研究室」という作家名だそうです。
作り手に関する情報はなるべく少ない方がいい。
男なのか、女なのか、そんなことすら分からない方がいい。
誰が作ったかではなく作品自体を見て欲しい。
十年前に名付けたという名前には、そんな思いが込められています。
「割れてしまうからこそ硝子が好き」
永遠ではないその儚さに、美しさを感じると言うオオタ硝子研究室さん。
有限性に根ざすガラスの美しさは、目の前にある存在そのものに意識を向けなければ見出せないものなのだと思います。
SNSが発達し、誰もが「自分を売る」ことに躍起になっている今の時代。
「何」ではなく「誰」の方が重要視されるこの時代。
私たちは目の前にあるものにではなく、そこに冠された記号(= 誰が作ったか、どこのブランドか)の方に目を奪われ、それを欲しているに過ぎないのかもしれません。
「作り手の情報はなるべく少ない方がいい。作品自体を見て欲しい。」
それはただ、目の前にある存在に意識を向け、その存在を感じて欲しい。
そんなシンプルな思いなのかもしれません。