田村幸帆 展「黒いそれら」

箔を貼った上に岩絵具の粒子を筆で重ねていると、
田村幸帆は時折、自分が描いているものが
なにか別のものに見えてくる時があると言う。
「別にそれもいいんじゃないか」と彼女は思う。

黒い四角／は／黄いろい／朝食であつた
黒い円筒／は／赤い／散歩であつた
黒い三角／は／青い／太陽であつた
黒いそれら／の／黒い／それら
（北園克衛『黒の装置』より引用）

不思議な瞳を持ついきものやエキゾチックな布地の紋様が形作る
“かたまり”が情景としてひとつの画面に収斂されていく。

田村幸帆作品、その原画の魅力をぜひギャラリーでご覧ください。

- 田村幸帆　Sachiho Tamura -
1992年　神奈川県生まれ。
2020年　東京藝術大学大学院　美術研究科絵画専攻日本画専攻分野　修士課程　修了。
第27回　臥龍桜日本画大賞展　入選、第45回　創画展　入選（以降第46回・47回）、
第43回　三菱商事アート・ゲート・プログラム入選（以降第45回・46回）　ほか。
個展や企画展で作品を発表。