12月9日(土) ~
12月26日(火)
木下令子 個展「粒と房」
木下令子の絵画は、日光による印画紙の感光、紙の日焼け、皺や折目など不可逆的な現象を持つ支持体に対し、それらの痕跡の上にスプレーガンから拡散される霧状の アクリル絵の具を吹き付け、加筆する行為により制作されます。記憶と記録のあわいを見つめ、移ろう時間に介入し、生きる上での些末な出来事の痕跡、密やかな憂いや愛しさをすくいとる喜びは木下の創造性の原点と言えるでしょう。画面に定着された無数の粒子は、そのリアルな質量によって時の手触りを顕にします。テーブルの上の葡萄に手を伸ばし、その一粒に触れる瞬間のような瑞々しさと、同時に、触れた瞬間に砂粒のように流れ、変化し、捉えどころなく霧散するような虚無感。それは時というものの本質を眺める体感です。
当ギャラリーで3 回目の個展となる本展では、2014年から現在まで、約10年間に制作された未発表を含む旧作から、新作までを包括的に展覧します。バリエーションに富んだ支持体、テーマへのアプローチの数々から、個々の地点での表現と、全体から立ち現れる木下の眼差しを感じることができるでしょう。
GALLERY crossing 黒元実紗
木下令子(きのした・れいこ) 1982 年熊本生まれ、武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。主な個展として、2023年「comma」SHINBI GALLERY/ 東京、2022年「-ヴェール-」日本橋三越本店/東京、「空の気配」照恩寺/東京、2021年「潜像」GALLERY crossing/岐阜、「kontor×Reiko Kinoshita」style department/東京、2019年「憬」GALLERY crossing/ 岐阜、2018年「夕べがあり、朝がある」LOOP HOLE/東京、2017年「日のふるまい」HAGISO/東京、「ゆるやかな仕掛け」switch point/東京、2015年「日のなかの点」清須市はるひ美術館/愛知など。その他、2022年「The Imperceptible Revealed」AIFA/スイス、2021年「 言葉でもなく、イメージでもなく、」krautraum/東京、「KINTSUGI」ANA インターコンチネンタルホテル東京/東京、「ヌケガラ(OFF)とマトイ(ON)<正体を隠すこと(ON)とそれを脱ぎ捨てること(OFF)の、あいだにあるものを教えなさい>」Talion Gallery/東京 、「エマージング・アーティスト展」銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM/東京 、「Painters+Collection 2021」なかた美術館/広島、2017 年「Spring Fever」駒込倉庫/東京(グループ展)、2023年「Do you see it?」AIFA/スイス、2020年「うつす」(二人展)Second2./東京、2012年第27 回ホルベインスカラシップ奨学生など。
■オープニングトーク《事前申込制・無料》
木下令子は、2015年に清須市はるひ美術館にて個展「日のなかの点」を開催し、同美術館に作品が収蔵されています。今回は、ゲストに同美術館学芸員の加藤恵さんをお招きし、木下の作品における約10年間の遍歴、旧作から近年までの制作のインスピレーションやその過程についてのトークを予定しています。ぜひ足をお運びください。
日 時:2023年12月9日(土) 17:00~18:00
定 員:15名
会 場:GALLERY crossing
出 演:木下令子
ゲスト:加藤恵(清須市はるひ美術館学芸員)
※トークイベントにはお申込みが必要です。 お名前、電話番号、人数を記入の上info@gallerycrossing.comまでご予約ください。
日 時 | 2023年12月9日(土)~12月26日(火)13:00〜17:00 ※休廊日 水・木曜日 ※作家在廊日 12/9日(土) |
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場 所 | Gallery crossing 岐阜県美濃加茂市太田本町2-3-22 |
H P | http://gallerycrossing.com |
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備 考 | ※詳しくはこちらをご覧ください。 |