廈門市

廈門(あもい)は福建省南東部、台湾との海峡に位置する都市。中国語では「シャアメン」と発音します。厳しい寒さに見舞われた1月の景徳鎮から、温暖な廈門へ逃避行。廈門とは中国本土と、本土に繋がっている廈門島の範囲を指しますが、中心部は廈門島に集中しています。亜熱帯性気候の影響で、街中には年間を通して植物が生い茂っており、見渡す限りの緑、そして「爆竹花」(砲花)というオレンジ色の美しい花が印象的でした。廈門は別名「海上の花園」と呼ばれるそうです。滞在中には一度だけ、小さなバナナも見かけました。

廈門市
観て:鼓浪嶼(グランユ、コロンス島)

鼓浪嶼は廈門島から500mほどにある小さな島(面積は1.8キロ平方メートル)で、フェリーに乗って行くことができます。世界遺産に登録された歴史的な建造物群が有名です。鼓浪嶼はアヘン戦争以前、人口の少ない島でしたが、1842年の南京条約で広州、福州、寧波、上海と並び、廈門の5港が開放されると、外国人居留区が設けられ、各国の官僚やエリートたちが住み始めました。まず最初に教会、学校、診療所ができ、やがて人口が増えると神学校や病院、書店、そして14ヵ国の領事館が造られました。洋風のレンガ造りで、屋根は中国風の旧日本領事館(1898年築)も残されています。石畳の道を歩きながら歴史的建築群を観て周り、小高い丘で一休みすると、海を見ることができました。また鼓浪嶼では、島を周回する電気バスを除いて、一般車両は走っていません。今ではかなり観光地化が進んでいますが、少し裏道を歩けば、地元の人々の暮らしが垣間見えるところもあります。

旧日本領事館

歩いて
廈門植物園(思明区湖源路25号)

鼓浪嶼と並び、廈門を訪れると必ずおすすめされるのが廈門植物園。1960年、万石山に造られた植物園は「万石植物園」とも呼ばれています。敷地面積は、およそ5キロ平方メートル(鼓浪嶼の2.5倍の広さ!)で、歩いても歩いても、どこまでも植物が植えられています。園内では6000 以上の熱帯・亜熱帯植物を鑑賞することができ、さらに「熱帯雨林の世界」「多肉植物エリア」「バラ園」といった、10以上のユニークなエリアが設けられています。個人的には多肉植物エリアで見た、珍しいサボテンたちが印象的でした。

食べて 姜母鸭

廈門は港街なので、とびきり新鮮な海鮮が食べられるところも嬉しいポイントです。滞在中は、よく近所の市場に出かけ、魚や貝類などを買って料理をしました。ある日の市場では、廈門の名物、姜母鸭(ジャモヤ)をテイクアウト。姜母鸭とは、鴨肉の入った小鍋に、薄く切った生姜をたっぷりと入れて醤油と砂糖で甘辛く煮込んだ香ばしい料理です。とても気に入ってしまい、滞在中に何度も買いに行きました。市場で姜母鸭の店舗を出しているこちらお姉さんは、一度に10個ほどの小鍋を使って手早く調理をするので、つい見惚れてしまいました。