4月18日(金) ~
4月26日(土)
林真実子展
磁器の持つ実用性を残しながら、土もののような自由な、そしてやわらかい表情。
化粧土、下絵具の使い方、銀彩、金彩の施し方など、独自に生み出した技法を用い、これまでの概念を一新してしまうような全く新しい作風を打ち出してきました。
素焼きの後、部分的に撥水剤を塗り、白釉の上ではなく素地を残し、そこに色絵や金銀彩をつけることで生まれるマット感のある淡い仕上がり、また器を作る過程でできる屑状の磁土を練らずにそのまま固めることで誕生する気泡跡のようなぼこぼこさえあるざっくりとした質感―磁器の特質を逆にとらえた大胆な手法から誕生した泥漿状の作品、さらには、木彫のように削りそこにプラチナ釉を塗った質感の対比を際立たせたマニッシュな仕上げなど。
独自の創意を発揮して、新たな磁土の作品を生み出しています。
淡い赤、爽快な緑、やさしいレモン色、こっくりとした栗色など、独自の美しい色を作り出し伝統的な市松や縞と組み合わせた旬度の高い文様が小さな世界に展開しています。
今回は、たおやかなパール系光沢を放つ色釉を用いた八角小鉢、幾何学模様のアクセントを効かせた四方小鉢、質感の対比が際立つマニッシュな彫りのシリーズなど、やわらかい白と作家ならではの美しい色彩で構成された清爽感広がる磁器の作品をご紹介します。是非ご覧ください。