10月19日(土) ~
10月27日(日)
中根 嶺 Ren Nakane 作品展
「シンプルなこと」を生業としていたいという中根さん。
素材と向き合い、手を加えることで形が変わり、そこに機能や美醜が生まれ、それが誰かの役に立つ。
昔から変わらない作り手の営み。
そんなシンプルでプリミティブなところが、モノづくりを生業とすることのモチベーションになっているそうです。
陶芸家のお父さんと染職家のお母さん。
それぞれの工房を兼ねた中根さんの実家は山の奥深くにあり、中学を卒業するまで彼もそこで育ちました。
TVも映らないほどの山の奥。
子供の頃の遊びといえば、自然と戯れたり、工作をすることでした。
動植物や季節の変化
色や音、光、香り
生と死
今になって振り返ってみると、山の中はたくさんの情報で溢れていたと言います。
「人は自然の一部であり、自己の延長線上に自然がある」
自然の中で育った彼は、最もシンプルで、最も大切なことを身体に刻んだのだと思います。
だからこそ彼は、生きるための「生業(なりわい)」としてモノを作ることを選んだのではないでしょうか。
そんな中根さんの姿の中に、真の芸術は人々の生活の中にあると説き、その実践を試みた宮沢賢治の姿が思い出されます。
今回の展示では、一枚の銅板を金槌で打ち起こしていく「鎚起」の技法や、何種類もの当金(あてがね)を用いながら叩き絞ることで成形をしていく「絞り」の技法を用いて作られた銅の薬缶や、真鍮と和紙を組み合わせて作られた照明器具などをご覧いただければと思います。
※作品のご購入はオーダーになります。(納期1年)