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  5. Asami TOGAWA Solo Exhibition “Hagel.Quittungen.Trümmer/ひょう.りょうしゅうしょ.がれき”

6月29日(土) ~

7月14日(日)

Asami TOGAWA Solo Exhibition “Hagel.Quittungen.Trümmer/ひょう.りょうしゅうしょ.がれき”

Asami TOGAWA Solo Exhibition “Hagel.Quittungen.Trümmer/ひょう.りょうしゅうしょ.がれき”

アーティスト・イン・レジデンスでベルリンに滞在し、制作、リサーチをおこなった成果発表展覧会です。現地で見つけた瓦礫などを使い、彫刻を制作しました。また、ドローイング、インスタレーションを展示します。

かつて住んでいた場所や訪れたことがある場所について今まであまり深く考えたことがなかった。なんとなく、変わってしまった風景より変わる前の風景の方がよかったのではないかと思うことが多いような気がした。
私はスタジオに到着してから周辺を散歩してみると、12年前の記憶の中にある当時の風景と現在の風景とのギャップに戸惑い、自分の記憶との答え合わせのようなものに時間を費やしてしまった。
当時のLichtenberg Studiosの周り一帯は夜になると暗くて寂しい印象があった。それは実際に、近くにある大きな駅Ostkreuz及び周辺の大々的な工事と周辺のトラムや道路の工事をしていたからだ。駅の隣に聳え立つ古い給水塔は気味悪く、こちらを見ているように思えた。余所者の私はこの街に歓迎されていないようだった。
誰もいない工事中の暗闇に光るスーパーの看板は、誰もいないスーパーの店内を少しだけ照らし、誰もいないことを私に教えてくれた。12年もの歳月はその街の記憶も変えてしまうほど長い時間なのだろうか。
綺麗に塗りつぶされた陰湿な場所は、今では季節の花の彩りに溢れていた。
風景は積み上げられ、崩され、積み上げられ、造られ。繰り返し、レイヤーが生まれる。それは時として、表面しか見えないことがある。表面によって覆い隠されてしまった後ろにあるレイヤーは時々見え隠れする。記憶として蘇ったり、例えば、壊れた壁から昔の壁が覗いていた。
4月の天気は曇ったり急に晴れたり、気まぐれな天気だ。不意に雹も降った。
懐かしい場所に遭遇することは喜ばしいことかもしれない。しかし、私にとっては12年前の風景の記憶を呼び戻しながら現在を歩くことは予想外に難航した。誰もいないスーパーの場所を近所の人に聞いてみても、わからない、という答えばかりだった。
私は現在の視点からちょうどいい記憶の温度にするために、手に入れたものを少しだけ手を加え、見えるものと見えないものを横断しようと試みた。

外川麻未

外川麻未/Asami TOGAWA
1985年生まれ。千葉を拠点に国内外で活動。武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻彫刻コースを修了。彫刻を軸として景観や建築の領域を横断する。また自主出版を2011年より行う。国外ではスウェーデンのヨーデボリKonstepidemin(2022)、ロシア・モスクワのCCI FABRIKA(2014)、ドイツ・ベルリンのLichtenberg Studios(2012・2024)でレジデンス制作を行う。近年の展示に「_scape」 TANA Gallery Bookshelf(東京、2024)、「To the forest -From my garden-」Flat River Gallery (東京、2023)、「Lands passed by」 一日(東京、2023)、「To the forest -Hibernation-」 Galleri Konstepidemin(ヨーテボリ、2022)がある。外川のStudio GROSSとの近年のコラボレーション「人間の家はソフトなまち / The Home of [Hu]Man is a Soft Town」は第48回日新工業建築設計競技にて佳作を受賞。「ゲンビどこでも企画公募2010」 特別審査員賞・森村泰昌賞(広島市現代美術館)受賞。
日 時2024年6月29日(土)~7月14日(日)13:00~19:00
※休廊日 火・水・木曜日
※作家在廊日 6/29(土)・7/7(日)・7/14(日)
場 所Detour 東京都新宿区築地町13 2F 赤城ビル203
H Phttps://www.asamitogawa.com/
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