10月25日(土) ~
10月31日(金)
「ドーニャ、針仕事との雑談」展
フランス、イタリア、チェコ、インド、ミャンマー、インドネシア、ケニア——
18世紀から20世紀にかけて、世界各地で生まれたアンティークビーズ。
生成りの布や草木染めの布、京都で生産された糸やデッドストックの糸。
これらの素材に、ドーニャ・川野美帆が手刺繍やミシン刺繍で命を吹き込み、「小さな織りもの」を制作します。
制作された布の断片は、茶道具の制作・修復を担う金属工芸職人の手による真鍮と組み合わされ、オブジェや装身具として新たなかたちへと昇華されます。
どこかプリミティブでありながらモダン。詩的で、リズミカル、シャープで、自然体。
異なる質が折り重なり、連鎖し合いながら、多層的な世界を形づくっています。
「ドーニャ(dona)」とは、メキシコの言葉で「年齢を重ねた女性」の意味。
経験と記憶、土地と素材、技術と物語が、ひとつの作品の中で静かに響き合う——時をまとうような手仕事の世界です。