5月31日(土) ~
6月5日(木)
竹下洋子展「solitude-孤独の楽園」
東京藝術大学・油画専攻卒業の美術家、竹下洋子は、25年以上にわたり「絵が街を歩き出す」という独自のインスタレーションを展開してきました。色と糸、そして手描きの布による作品は、ニットやカットソーという衣服のかたちをしていながらも、それ自体は「服」を目的としたものではありません。着る人の意志によって初めて服となり、作品がその人と共に街を歩き出す——それが竹下の表現なのです。
今展で掲げられたテーマ<solitude — 孤独の楽園>は、作家が自身の創作の原点に立ち返るものとなっています。
「loneliness」という寂しさを超えた、その先に広がる静かな孤独……
竹下は、創作に深く没頭するその時間を「solitude(孤独)」という言葉で語ります。
それは決して閉ざされた感情ではなく、人が誰しも人生のある段階で向き合う、自らと深く対話する時間。そこには普遍的な愛が息づき、内面の強さが浮かび上がります。
竹下の作品は、まさにそのような「内なる旅路」を思い出させてくれるものです。纏うことで、見ることで、触れることで、鑑賞者の心に静かな共鳴を呼び起こすことでしょう。